現代アーティスト、トム・サックス(Tom Sachs)の展覧会「Tom Sachs:Retail Experience:店舗体験」が伊勢丹新宿店本館で本日からスタート。タイトルにもそそられ、早速行ってきました。
作品の解説は詳しい方に譲るとして、展示のタイトルにもなっている”店舗体験”について触れたいと思います。
テナント業とも言える百貨店は、阪急グループの創業者 小林一三が生み出した手法でもある、鉄道をひき、街を開発し、娯楽施設である百貨店を作ることで、すべてのピースが相乗効果を生み出すモデルで成り立ってきました。
コロナが来る前からインバウンドにより延命されていたものの、場を生かして新しい小売りをどう作るかが最大のテーマに。
今回、元伊勢丹グループのバーニーズニューヨークでVMDをしていたトム・サックスが”Retail Experience”を掲げたのは、皮肉とゆうより希望でしょう。
身近で誰もが知る素材やブランドを再構築して生み出した彼のアートがインスタレーションされ、体験の記憶としてのお土産をTシャツやペンとして持ち帰ってもらう。
私のように現地に出向いた方がインスタのストーリーで写真をまさに流れるようにシェアすることで、参加できない方の視界にミルフィーユのように層を重ねて記憶化される。
日本国内にそのお土産だけは同時販売されるオンラインで売れていく。
店舗体験は店舗での体験を指すのではなく、店舗で採集されたコンテンツが様々なコンテキストを持ってシェアされていくことで完成されていく。
百貨店の未来を描いたような彼ならではのインスタレーションでした。
たくさんTシャツ買ってしまいました 苦笑。
追伸)さらに詳しい考察や館内レポートについて
10/9からスタートする有料の会員制メディア”anytee GINZA college”にて今晩から公開。
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