お盆休みもそろそろ。暑いしいい加減ひまです。
この夏も悲しい事故がありましたね。としまえんプールでの少女死亡事故。
じつは僕はスタイリストを辞めていきなり庭師を目指したわけじゃありません。まず辞めると決めてしまって、しばらくどうしたものか考えました。物書きにでもなろうかとか、ぼんやりした思いでとにかく何も決めてなかったです。
ただすでに専業主婦の嫁さんと小さな子ども二人はいましたから、蓄えだけでは不安ですしバイトでもしなければと。それでプールの監視員を一時してたんですね。
監視員と言っても学生バイトみたいな軽いものではなく、そのメンバーをまとめるプール責任者みたいな仕事です。当然、やりたいから出来る仕事でもなくスキルが求められます。若い頃からサーフィン等してたので泳ぎや体力には自信がありました。
あとは実際に資格。施設管理、救命救急員、水上安全救助員等を持ってないとできません。だから取りました。東京都の水安(ライフセーバー)の資格テストはとくに厳しくて、炎天下の遠泳、負荷を持って数分間の立ち泳ぎ、溺水者のフォローアップ、溺水者発見から到達までのタイムアタック等かなり過酷です。
そういったものをクリアしてプール救助の仕事をしました。
そこではじめてプール業の大変さを知ったんです。まず僕らが小さな頃は都内や近郊には大小さまざまな遊戯プールがありましたが、いまあまり無いですよね?
それはプールという施設に莫大なコストがかかるからです。プールに張る水は一度抜けば数百万円の水道代がいりますので塩素と循環器でリサイクルするんですが、循環装置の維持や補修、劣化するプール壁の補修等が甚大。採算を取るのが難しいです。
くわえて今回のような事故。プールの経営側はその管理(監視)をほぼ外注します。そこでもし事故が起これば責任はほぼその管理会社です。例えば今回のとしまえんなら間違いなく管理会社は契約を切られますし、別のプールと契約があっても死亡事故を起こした会社として他からも外され、下手すれば会社ごと倒産します。
そういう業界なんです。
いろんな意味でプール経営ってリスキー。だからどんどん無くなるんですよ。いまどき派手なウォータースライダーがあるとこなんて、攻めてんなーって思いますもの。
で、今回の事故なんですが、事故にあった少女や親御さんの悲しみは十分わかります。ですが個人的には海や川やプールでも水の事故はつきものだと思うのです。それくらい水に入る行為が危険だということをお子さんの親も覚悟してください。絶対に目を離さないでください。
あんな芋洗い状態では監視員をいくら増やそうが無理です。
そんなことを感じました。
ここ数年のプールの想い出。