年に一回はぎっくり腰になるというセミプロとも言える僕の、
今回のぎっくり腰は今年二回目。
そもそも、始まりは何だったのか、思い出してみると…。
一番最初のぎっくり腰は、ハワイで農園のマネージャーをしていた時でした。
重いものなんて、旅行の時の超過したせいぜい30キロ台後半くらいのものしか持っていなかった僕に、
フレンドリーなメキシカンのスタッフは、いきなりコーヒーの麻袋を持たせたのです。
まあまあ軽々と持ち上げる若者たちに、さらっと指さされた先にある45キロの麻袋。
持ち上げた瞬間の、「ぁ」っていう自分の囁き声は、今でも簡単に思い出せます。
その時は、カイロプラクティックに行ってみたり、色々しましたが、
2週間ほどでどうにか復活しました。
その翌年、台湾でぎっくり腰をした時は、
ぎっくり腰の「アマチュア」から、
「県大会優勝」になったくらいかと。
(まだプロになるのは早い感じですね。)
会社に行ってぎっくり腰になったことを話すと、
通訳をしていた社員の男の子が、
「鳥羽さん、ぎっくり腰にいい先生います。でも日本語わからないから、僕もついていきます。」
と、わざわざタクシーで郊外まで連れて行ってくれました。
その先生は、巨大な団地に居を構えていて、
その部屋を探すのさえ難しいくらいの複雑な建物でしたが、
通訳の男の子は自宅に帰るように迷いなく辿り着き、先生とご対面。
先生は、70歳くらいの雰囲気で、結構日本語が喋れるようで、
かなりの勢いで捲し立ててくるのですが、
重要なところだけ突然中国語で話して通訳させるという謎が深い人物。
そして、途中で通訳の男の子が顔を赤らめ、
「僕通訳できないー」って言い出して、
「とにかく、一回で治したいですか?」とまとめてきたので、
「いや、説明ちゃんとしてよ。」と言ったのですが、
彼は首を振るばかり。
そして、先生は後ろでいやらしい表情で、
人差し指をクイクイ曲げて見せてきます。
藁をも縋る気持ちでしたので、
「先生に任せます。」
と、伝えた瞬間に、
ベッドにうつ伏せに倒され、
短パンとパンツを下げられ放置されて…。
しばらくすると、
「パチッ、パチッ」
「クチュクチュ」という、
謎の音が響き始め、
僕のお尻を突然「パーンッ」と引っ叩き、
大声で何かを僕に伝えてきます。
「鳥羽さん、腰を上げて、四つん這いになって」
通訳の男の子が少し焦った様子で通訳してくれて、
僕は四つん這いになります。
「1、2、3で前にスライドしながらうつ伏せに戻って」
「イー、アール、サン」のところだけ辛うじてわかりましたが、
先生が本当にそんなこと言っているのかどうかもわかりません。
とにかく、先生は何か呟きながら、僕のお尻をペチペチ叩きます。
そして、
低い声で、
「イー」
始まりました。四つん這いになる僕。
緊張が張り詰める診療室。
「アール」
「サンッ」と言った瞬間に、
先生の
「フンッ」と踏ん張る声と、
鋭い痛みが走り…。
通訳の彼が言いたくないようなことが起きたのち、
僕は放心状態で事務所に戻ったのでした。
帰りのタクシーは、二人とも無言。
長くなってしまったので、
数回にかけてお話しできたらと思います。
でも、あの日を境に、僕は何かが変わったと思います。