大沢伸一さんとお店をやる構想を練り始めたのは、
もう7〜8年前になるかと思います。
その当時、大沢さんは代々木ミュージックバーに関わっていて、
音楽をベースにした飲食店の可能性を感じていました。
トントン拍子に意見はまとまり、
6年ほど前に銀座ミュージックバーがオープンしました。
「トントン拍子」とは言いながら、
実際はかなり大変で、
機材を集めたり、レコードを集めたり、
店のデザインをしたり、
神経をすり減らして作ったお店でしたが、
僕たちの心の拠り所は、
今までにないお店ができたという以外になく、
結局、最初の数年は、経営的にも苦労しました。
大沢さんは時間を作って、
毎晩のようにセレクターとして参加をしてくれて、
「歌謡ナイト」(当時は歌曜ナイト。いつのまにか変わってました。笑)
というイベントもはじめて、
大沢さん、
カメラマンの田島一成さん、
大沢さんのマネージャーChuchuさん、
源馬大輔さん、
長瀬哲朗さん、
当時の店長、磯部くん、
後から参加していただいている、サノ☆ユタカさん、
に盛り上げて戴きました。
当時は、まだそこまで歌謡曲を流すバーもなく、
月一ながら、たくさんのお客様に来ていただきました。
「蛍光」の手島領さんのイベント、「蛍光ナイト」
「ブラックスワン」も、
灰野敬二さんや、亡くなった田原桂一さん、
森永泰弘さん、soi48のお二人を呼んで行った
「ワールドミュージックナイト」も、
今までにないミュージックバーでのイベントという感じで、
どんどん自分たちにも自信がつき、
そして当然のことながら、お客様も増え、
経営も安定してきました。
かといって、ウハウハになる程儲からないのが小さなバーの宿命で、
それなりに常に突っ走らないといけないということが、
ずっと続いています。
順調に進んでいた経営ですが、
3月に入りコロナウィルスの脅威を何となくみんなが感じはじめた時は、
まだお客様もたくさんきてくださっていて、
お店を休むべきかどうかの判断は、
ロックダウンされるかどうかまで待ってもいいよね、
くらいの感覚でした。
しかし、海外はもう大騒ぎ。
中盤になれば、ニューヨークなんて、人も歩いていない。
後半になったら、チャールズ皇太子も感染。
そして日本も志村けんさん感染のニュースが。
そろそろ他人事じゃない、
僕たちもお店を閉めるべきなのか?
と話しはじめた時は、
今となっては遅かったのかもしれません。
銀座の街は、
まだ人がたくさんいて、
夜は盛り上がっていて、
まだまだ売り上げを見込めました。
スタッフも、そちらに目が行って、
危機感を感じるまでにはなっていませんでした。
それは当然のことだと思います。
しかし、みんなで話し合って、
3月26日の営業をもって、
無期限休業に入ることを決めました。
決定した時には自粛要請もまだ出ていませんでしたし、
週末は渋谷のクラブでの大きなイベントなど、
まだキャンセルの発表はしていないし、
大きな商業施設も営業するかどうか決定していなかったので、
ちょっと早すぎやしないか?という意見もありました。
でも、その時の僕たちの気持ちは、こうです。
1、休業したくないが、休業すべき。
2、どうせ、結局は営業自粛せざるを得ないだろう。
3、これから僕たちどうなるんだろう。
不思議と、縮小して営業しようとか、
どうにかして営業できる方法を考えようとはなりませんでした。
もう、その時には、次に目が向いていました。
それが、今も続いている、
instagramのライブです。
とにかく、火は灯し続けようという、
大沢さんとの思いは、
このような形で始まりました。
スタッフは最小限、
セレクタは一人。
全員距離を置いて、
とにかくつまらないことで、
突っ込まれることのない完璧な準備を。
そして、僕たちの今の気持ち、
今の思いを伝えるというストレートな思いで。
この命題を踏まえて、
見切り発車といえば見切り発車、
覚悟の上と言えば覚悟の上で、
はじめたのが、この企画です。
まず、遠いスタッフには、
鳥羽お得意採算無視の自転車を購入。
(Amazonで自転車が次の日に届くって、、、
もし今回のようなことが10年前に起こってたらと思うと、
ゾッとします。)
機材も揃え、
3月28日にスタートしました。
最初の夜は、
店主である、大沢さん、そして僕、
Rhymeも参加してくれて、
何となくの手応えを持てました。
そこから、N.U.D.E.の下山さん、
DJ EMMAさん、
Toshiyuki Gotoさん、
dory&tajjie
ナツサマーさん、
DJ NORIさん、そしてCASBAのレイコさん、
LADY-Kさん、
が参加してくださり、
日に日に、視聴者の数も増えています。
ここで、大きな問題がありまして、
もちろん気付いてはいたのですが、
収益がないのです。
一円も。
クラウドファンディング、
寄付、
投げ銭、
いろいろなことを協議しましたし、
いろいろな方々からのご意見もいただきましたが、
入場料で収益を上げるクラブのような営業ではないこともあり、
どこかで自分たちの思いをフィットしないことを言い訳に、
そこに目を向けることを避けていたのかもしれません。
僕はinstagramをやめてしまったので、
あまり分析ができていないのですが、
コメントでとても喜んでいただいていることをお伝えいただける、
「お店のファン」の方々がいるのと同時に、
銀座ミュージックバーのアカウントをフォローしてない方々が、
やたらとコメントして盛り上げてくださるパターンもあり、
何を目的にやっているのかをじっくり考えないといけない、
そして今後、自分たちがどのように進めていくべきか、
考えないといけない時が来たと思っています。
そして、自分たちの延命や、生活を守るのと同時に、
または、その次に、
社会に対しての貢献も考えたい。
と、いうわけで、長くなってしまいましたが、
今晩(4月23日木曜日)21:00から、
大沢さんと僕で、
初めての試みですが、
トークをメインとしたライブを行います。
これからの銀座ミュージックバーをどうしていくべきか。
真剣に話し合い、皆さんからのコメントにもお答えしようと思います。
ぜひ、お時間があれば、ご参加ください。
www.instagram.com/ginzamusicbar
もちろん、今日ではなくても、
銀座ミュージックバーのinstagram、Facebookで、
ご意見いただけますと、嬉しいです。
また、いつか、銀座ミュージックバーで、
朝までふざけられる日が来るんですかね。
不安な毎日が続きますが、
そういう時に、音楽の持つ力って、大きいなって思います。