六本木にあるANB TOKYOにて5月23日までアーティスト中園孔二の個展「すべての面がこっちを向いている」が開催されている。
1989年生まれの中園孔二は2015年に26歳という若さで事故によって惜しくもこの世を去ってしまったがその短い生涯のうちになんと500点ほどの作品を残した。
2013年だったか彼の個展を清澄白河にあった小山登美夫ギャラリーで見て類稀なその才能に衝撃を受けた。
その場で小作品を1点買わせて貰い作家本人もいたので挨拶したがまだ青年といった印象で芸大を卒業したばかりという感じだった。
なんとご両親もいてよろしくお願いしますなんてご挨拶までされてしまったのを覚えている。
彼はクレヨンや油彩などさまざまなメディアで絵画作品を制作するがチューブから直接絵の具をキャンバスに絞り出して描いたり手で描いたりなど実に多彩な表現方法を持つ作家だった。
その描くイメージの印象は穏やかな青年といった感じの作家の風貌とは違って激しくてインスピレーションを受けるがままにがむしゃらに描くというタイプで天才肌だと感じた。
彼が事故で亡くならなければ一体どんな作品を作り続けたのだろうかと思うと残念でならないがなんとなく彼のような霊感を受けて描く作家ってあっちの世界に呼ばれちゃうのかなあなんて思ったりもする。
この展覧会では未発表の小作品を50点ほどを展示しているほか、中園孔二へのインタビューやスケッチブックなどの私物も資料として展示されていてとても良い展覧会なのでお勧めします。