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10月18日まで京都で開催されていたKYOTOGRAPHIE2020からのリポート4回目。「VISION」をテーマに掲げ多様な視点により作られた「VISION」を集めたフェアになっている。コロナで一変した世の中。世界を変えるにはまず自分たちの「VISION」を変えなければならない、一人一人が問題を「自分ごと」として考えることができた時に世界は必ず変わるのだというのが今回のステートメントである。最後に紹介する作家、エルサ・レディエは1729年創業で世界最古のシャンパーニュとして知られるメゾン・ルイナールが世界最大の写真のアートフェア、パリ・フォトで開催している「Curiosa sector」で「メゾン・ルイナール・アワード2019」を受賞した作家である。今回の展示はレディエが2019年9月にブドウの収穫期を迎えたシャンパーニュ地方ランスにあるルイナール社を訪れてブドウと共に働く人々を撮影したものだ。記録的な暑さの中でレディエはカメラを使用せずに印画紙に直接ものを置き光を焼き付ける「レイヨグラフ」という伝統的な手法に加えて光を実験的に捉える手法などを織り交ぜ作品を生み出していったという。光を用いて制作された12点の作品は人々と自然の本質的な関係とそれを変えつつある気候変動へのメッセージも秘めている。彼女の展示は制作のアイデアの良さ、作品の色の美しさ、その展示方法の巧妙さがハイレベルでルイナール・アワードを受賞しただけのことはある素晴らしいものだった。

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