銀座のエルメス8階と9階にあるメゾンエルメスフォーラムにてシャルロット・デュマの個展「ベゾアール(結石)」が開催されている。アムステルダムを拠点に活動する写真家でアーティストのシャルロット・デュマは現代社会における動物と人の関係性をテーマに20年以上にわたって騎馬隊の馬や救助犬といった人間と密接な関係にある動物を被写体として様々なポートレイトを撮り続けてきた。2014年には日本全国の在来馬も撮影しており北海道や長野など8カ所を巡り撮影を続けている。展覧会のタイトルにもなっている「ベゾアール」は動物の胃の中で形成される凝固物だが古来からお守りになったり神秘的なものと思われてきたという。それは動物と共存してきた人間と動物の絆であり生と死という壮大で根源的な課題の片鱗の一つのようでもある。今回の展覧会では映像作品を中心に馬の写真はもちろん馬の埴輪や木馬など人間と動物が共存してきた歴史を示する品々も展示されている。我々は動物や植物と同じ自然の一部であり共存して生きてゆくしかないがこうした品々は共存してきたという証でもあり繰り返されてきた生と死の儚さを語ってくれるようでもある。

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