天王洲アイルにある児玉画廊にて継続的に企画されるグループ展 ignore your perspective の55回目「Reforming Perceptions」が開催されている。毎回異なったテーマを据えてそのテーマに沿った作品を作家たちから発表してもらうというこの企画展は毎回楽しみである。絵画はかつて三次元的な空間なりを絵画の二次元空間に落とし込むという奇術のような存在だったがそのうちある絵画は自らのメディウムとしての特性に目覚めるかのように変化していった。それは二次元の絵画が三次元的な要素を捨てて平面的な世界の二次元の中で絵画から抽象画に変化していったことであった。今回のこのグループ展では4人の若手作家たちがそれぞれのメディウムで様々な抽象的な平面作品を表現している。表現手法に陶芸を使う作家や絵の具の流れを使う作家、極度の重ね塗りや塗っては剥がすなどの行為で独自の抽象表現を試みる作家などそれぞれの独特なアピローチがとても興味深く抽象表現の魅力を感じさせてくれるようなグループ展になっている。