六本木にあるタカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フイルムにて塩田正幸の個展「Retinagazer」が開催されている。塩田正幸のタカ・イシイギャラリーでの初めての個展では24年間にわたって製作された膨大な作品群から選りすぐられた初期作から最新作まで110点を展示している。この展覧会のタイトルでありセルフポートレイトのタイトルでもある「Retinagazer」は作家の作った造語で「網膜を凝視する者」を意味し「目的は内なる探求である」という作家のビジョンに由来しているそうだ。作家は写真の本質を考え重ね独自の手法とアイデアで製作に取り組み一貫して写真表現を探求してきた。芸術としての写真という手法を様々な試みを通して探り続けてきた作家の足跡と今の姿を同時に見ることができる興味深い個展である。