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六本木の小山登美夫ギャラリーにて桑原正彦の展覧会「heavenly peach」が開催されている。全体として白とグレーの色合いで描かれた作品が多く限りなく淡い印象である。時々差し色のように着色されているものもあるが作品を通して淡くゆっくりとした時間が流れているかのようだ。この作家は実に独特の世界観を持っているがペインティングという表現方法で描かれたその作品世界には不思議な空気が流れていてものの隙間やはざまに存在するようなものたちが描かれるのだ。描かれるものたちは幼少期の記憶の断片なのか、架空の世界の寓話なのか、とにかく、単純そうでいて見ていると奥深い何かを絵画の裏にかすかに感じるような独特で不思議な存在感の作品である。

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