東京都現代美術館でオラファー・エリアソンの展覧会「ときに川は橋となる」が開催されている。ベルリンを拠点に活動するエリアソンは自然環境や人間の感覚といったテーマを作品化してきた。光や水蒸気、水の反射など想像力に溢れたインスタレーション作品が数多く展示されているので大人はもちろん子供も体験しながら作品に触れることのできる展覧会となっている。人類の営みが排出する二酸化炭素によって地球温暖化は進み近年は世界中でかつてないような異常気象も増えている。エリアソンは作品テーマの重要な位置にこうした地球温暖化といった状況を据えて様々な作品を制作してきた。今回もアイスランドの氷河の氷を用いて描かれた水彩画や二酸化炭素を極力排出しない方法でベルリンから陸路で運ばれてきた作品など興味深く知的な発想の作品が見られるが作品としてのインパクトと美意識も兼ね備えているのが素晴らしい。アートというアプローチで人類が抱える環境問題と向き合う姿勢には揺るぎないものがあると思う。展覧会のタイトルにもなっている「ときに川は橋となる」は水の張られたシャーレが中心に置かれた暗い空間でその水に当てられたライトの反射が丸い光の玉となって壁面に移り出され水の揺れによる波紋が光の玉をゆらゆらとさせる仕掛けのインスタレーションだがこの作品は今回の展覧会のための新作だそうである。
アイスランドの氷河の氷が溶ける様で描かれた水彩画。
ベルリンから陸路で運ばれた作品の動きや揺れを示した作品。
この作品のエネルギーにはソーラーエネルギーが使われている。
床に設置されたライトが動く人のシルエットを映し出す。
流木やガラス片など様々な素材を使って作品は作られる。
ベルリンにあるスタジオ・オラファー・エリアソンにある素材達。
様々な石や素材、野菜の粉など実験的なものが展示されていた。
オラファーがチームとシェアする作品のイメージドローイング。
思わず中を覗きたくなるインスタレーションも見た目が美しい。
携帯式ソーラーライト「リトルサン」で見る光の動き。
光を遠くまで届ける灯台の光の仕組みを利用した円形の光の作品。
ゆっくりと回転しながら動く丸いガラス板が静かな空間で動いている。
今回の展覧会のタイトルになった作品は今回のための新作である。
今まで刊行されたエリアソンの作品集なども展示された。
無害な緑色の塗料を川などに流すプロジェクトでは目黒川も参加!
1999年と2019年のアイスランドの氷河の状況を比べた写真。
暗闇の中霧状の水に光をあてて現れる虹状の模様。