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外苑前にあるMAHO KUBOTA GALLERYにて安倍典子の個展「Shadow and Synchronicity」が開催されている。4年ぶりとなるこの展覧会では安倍の作家としての20年のキャリアからの新たな挑戦の始まりともなる試みの新作が展示されている。鋭利なカッターで紙や本のページを1枚ずつ切り抜きそれらを数百枚も重ねることにより立体的な作品を造形する作品は作家本人がカッティングプロジェクトと呼ぶ実に特徴的な作品だ。キャリア初期は自然やランドスケープに誘発された発想でスタートしたが自らのエネルギーを自然の壮大な力のほんの一部と位置づけそこに意識を集中させて作品を制作してきた。それにしても気の遠くなるような根気と信じがたい集中力を求められるであろう制作スタイルを貫いてきた作家の制作意欲には驚かされる。今回は紙や本といったメッセージ性の強い媒体と同時に作家が長く向き合ってきたビズレー社のスチールキャビネットを用いた立体作品もお披露目する。現在はニューヨークに在住する作家の長きに渡る制作活動にとって起承転結の「転」のステージの始まりと位置づけた作品群を見せる展覧会は眼を見張るものがある。

鋭利なカッターで紙を1枚づつ切り抜いて作る造形美。

本などもカッティングすることで想像もできない作品になる。

集中力と根気が要求される制作スタイルである。

色の配置や紙の形などに独自の美意識が感じられる。

ビズレー社のスチールキャビネットを用いた立体作品もお披露目。

 

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