六本木のタカイシイギャラリーにてサーニャ・カンタロフスキーの展覧会「パラダイス」が開催されている。ニューヨークを拠点に活動するこの素晴らしい作家の作品を堪能できる機会なので是非お勧めしたい。今回は3階のギャラリーにて絵画作品4点と木版作品4点の他に1階のスペースでも小さな絵画作品群を展示している。この展覧会のためにカンタロフスキーは日光のトレッドソン別邸に1ヶ月滞在してインクと水彩による素描のシリーズを制作したという。また木版画はアダチ版画研究所の協力を得てその優れた技術によって制作された。カンタロフスキーの作品はまるで物語の一コマのような雰囲気をに匂わせるがそこに登場する人物は奇形で苦悩を抱えたような趣で欲望そのものをどのように描けるかを模索するする作家の探求心が形となったようである。いずれにせよ素晴らしいペインターでありマルチなクリエイターでもあるというカンタロフスキーの作品は絵画でも版画でも存在感は圧倒的で実に見応えのある展覧会となっている。
1階に展示されている小さな絵画作品群も見応えがある。
色や筆の使い方、表現力は圧巻で才能を感じる。
筆運びやマチエルが絵画の魅力を増す効果をもたらす。
色のセンスも抜群で独特の感性を感じずにいられない。
時に薄ぶりも混ぜて絵画の雰囲気を醸し出す。
オイルスティックと絵の具をうまく使って独自の絵を描く。
アダチ版画研究所の協力を得て実現した木版画。
画面の構図や色彩も独特な素晴らしい感性である。
どんな物語が語られているのか、欲望の物語に違いない。
気味の悪い人物が謎の行為をする場面も色彩が美しい。
隠蔽された秘密がバレてしまった瞬間だろうか。面白い。