天王洲アイルにあるギャラリースペースANOMALYにて西野逹の展覧会「やめられない習慣の本当の理由とその対処法」が開催されている。広いギャラリースペースの全体を使い様々な立体作品を展示しているが見るものの度肝を抜くような作品は圧巻である。「笑い・暴力・セクシー」を標榜し1990年代から期間限定で公開するパブリックアートを制作して来た西野は公共性の高い場所に私的な空間を突然に出現させ異次元的な世界を作り上げる。街のモニュメントや銅像を丸ごと囲うように部屋を建設しリビングルームやホテルにしてホテルなどは実際に営業するなど突拍子もないアイデアで街中に異空間を作る西野の試みは人々の持つ固定観念を軽く吹き飛ばして来た。今回の展覧会では複数の石膏像を解体してからまた繋ぎ直した照明器具や木の枝を彫って金の仏像に仕立てたもの、車のパーツに街灯を突き刺したような巨大なオブジェと様々な試みの作品を展示している。常識にとらわれずぶっ飛んだ発想の作品世界を見たい方にはぜひお勧めの展覧会である。
日常的なシーンにいきなり現れる異空間的な世界。
壊した石膏像を様々に組み合わせて違うものに仕立てる。
本物の木の枝部分を彫って金に着色した仏像たち。
車に街頭で家具類の数々を串刺し的にした立体作品。
石膏像のオブジェは照明器具としても使える。
本物の木だけにもしも庭に植えたら育っていくのか？
これも大変にシュールな絵面の異空間写真となっている。
