六本木にあるcomplex665にあるタカ・イシイ、小山登美夫、ShugoArtsの3つのギャラリーで3つの異なった美意識と質感を見ることのできる展覧会が開催されている。タカ・イシイでは戦後の日本美術史に大きな足跡を残した草月流の創設者、勅使河原蒼風の個展を開催している。従来の形式的ないけばなに疑問を持ち草月流を創流、ヨーロッパ美術に関心のあった勅使河原蒼風はモダンアートの実験精神をいけばなに取り入れ鉄製の花器や銅製のオブジェのような花器などを取り入れついには花そのものを用いない鉄製の立体作品「群れ」を発表する。世界的にも多大な影響を与えた勅使河原蒼風は「どんなものを使っても表現できるということを示していく」というメモを残したという。一方、小山登美夫ではカンボジア生まれでのちにアメリカへ移住して作家活動をする作家のソピアップ・ピッチの展覧会を開催しているが竹やラタン、ワイヤー、蜜蝋などを使った立体作品は母国カンボジアの農村で見た納屋などの美しさに影響されたものだという。ShugoArtsでは三嶋りつ惠によるガラスを使った立体作品の展示をしているが様々な形に造形された透き通るガラスがとても美しい。造形作品のそれぞれの素材が放つ独特の美しさを見比べられるような3つの質感の展覧会が同じビルにある3つのギャラリーで展開しているので是非お勧めしたい。
大胆な書の前にいけばなが飾られた。
筆の勢いを感じる迫力のある書である。
岩のようなどっしりとした存在感と繊細な立ち姿がいい。
こちらのオブジェも素晴らしい造形美である。
勅使河原蒼風は従来のいけばなの常識を変えた。
のびのびとした力強い造形である。
初期の重要作品「機関車」も展示されている。
ソピアップ・ピッチの作品は竹などを編み込んでいる。
カンボジアの農村の納屋などにインスピエーションを受ける。
木の質感などいろいろな質感が用いられる。
エディションのプリントも展示されていた。
平面作品も立体的である。
巨大な農耕器具のようなオブジェ作品。
似て日なる素材の対比が面白い。
竹の編み物に石、木の塊など素材が共鳴する。
自然が生んだ味わいも作品の上に残す。
ベネチアで作られたたくさんの小さなガラス玉でカーテンを作った。
ガラスの持つ美しさや淡い光の集合が見事である。
透明なガラスの造形に周りの景色が変化を与える。
様々な形が同じ透明ガラスによって作り出される。
三嶋は今年、ニューヨークでも個展をしている。
何かの植物のようなオーガニックな形だ。