先日、東京都現代美術館に「つづく」を観に行った。
この展示を観に行こうと足を運んだ美術館で、同時開催されている収蔵品展や他の企画展を観るとなぜか思いがけない出会いがあったりするから、美術館は私にとってのワンダーランドだ。
皆川さんの展示の素晴らしさはすでにいろんな方が語っていると思うので割愛したいが、一つだけ。
私が特にぐっときたのはすでに袖を通した思い出の服が並んでいたコーナー。暗い舞台の中、着古されたミナの服にスポットライトが当たり、購入者の思い出がテキストとして添えられているのだが、これがまた泣けるのである。その人自身にとっての服やものって100あれば100のストーリーがあって、その生き様が刻まれていくから愛しく思えてくるんだよなあと。
頬に涙を伝わせながら(だいぶやばい人ですよね笑)エスカレーターを降りて、ダムタイプ展を観てひと呼吸置き、地下の企画展へ。
入口のムービーに引き込まれてしまった。
「コピササイズ(コピー+エクササイズの造語)」と名付けた作業を黙々と3人で行う奇妙さ。彼らの名はTHE COPY TRAVELERS。
コピーは複製という意味だけど、対象物を手で動かしたり、何も考えずに感覚でミックスして置いたり…一瞬の動作を加えることで二度と同じものは複製されない、その偶発性。
それは持続性に重きを置いて丁寧にものづくりを行う皆川さんとは対極にある素晴らしさでした。これが同時に観られる現代美術館、なんて最高のキュレーションなのでしょう。
THE COPY TRAVELERS、いつか彼らのコピササイズをこの目で見てみたいものです。
ちなみに、コレクション展でもすごく面白いものがあったのですが、これ以上書くと長くなりそうなのでまたの機会に。旅でもそうだけど、何も調べずに足を運んでふらふらしながらたどり着くものの方が私は惹かれる傾向にあるようです。