7月末に夏の新作を発売した。
夏ならではのTシャツを中心としたコレクションと、ハイパフォーマンスランナーに向けたレーシングシリーズのニューバージョン。
おかげさまでほぼ完売。好評のようでうれしく思います。いつもありがとうございます。
今回の発売告知のビジュアルは「Baskervill」系のクラシカルなセリフ体のフォント(※)を使ってみた。
(※)明朝体のように“はね”があるフォントが「セリフ体」、ゴシック体のように“はね”がないフォントが「サンセリフ体」といいます。
普段はモダンなイメージのサンセリフ体を使うことが多いのだが、スポーツ系にセリフ体の組み合わせはあまり見ないし、落ち着いた印象のセリフ体を使うことでスポーティーさとのギャップの面白さが生まれると思った次第。
また、日本製や機能的ディティールなど、ブランドのこだわりや上質さを伝えたいという意図もあった。いい感じだったので、夏のカタログもBaskervill系のフォントをメインにデザインした。
スポーツ系とセリフ体の組み合わせですぐに思い起こすのがこちら。かっこいい。
パーソナルコンピューターとクラシカルな「Garamond」系フォントの組み合わせの意外性と美しさ。セリフ体の使い方が素晴らしかった名作広告。
先週はハイクやキャンプに使える機能系ショーツとリュックを発売。こちらはストレートにPOPで楽しいイメージが伝わるように「Cooper」系のフォントにした。昔から人気のあるメジャーなフォントで、ぼくもよく使う。目にしたことがある方も多いのでは。
こうしてあたまの中の感覚やイメージをすぐ形にできるのは、小商のよいところだなと思う。わざわざプレゼン用のイメージデザインやカンプを作る必要もなく、思いついたらすぐにMacに向かうだけ。スピーディーで経済的(無駄がでない)。
また、ラン、ハイク、キャンプ、自分のブランドで作るものは、自分が使いたいもの。そして自信を持って、同じ趣味を持つ方たちに薦められるプロダクト。上司に「作りたい」と提案する必要はない。
前社時代を思い起こせば、大きな企業にもよいところがあった。大企業と小商のどちらにもメリットとデメリットがあり、どちらが自分に向いているかという相性の話。ぼくには小商の身軽さがとても心地よい。マインド的ノマド。その分、リスクもひとりで背負うことになるけど。
日本に根付いていた終身雇用も形骸化してきて、追い討ちをかけるようにやってきた新型コロナ禍。もはや何が起こってもおかしくはない世の中になっている。
それでもぼくの周りのインディペンデントな人たちはマイペースに楽しそうに生きている。先にも書いたように向き、不向きはあるけど、小商は究極の成果主義。もし、挑戦したいと思っている方がいたら、挑戦する価値はあると思う。
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