BLOG - 渋井勇一(RASSLIN'&CO.代表 / Mountain Martial Artsディレクター)

2012年のnew balance minimus。(GOOD PRODUCTS 100)

(インスタグラムから転載・加筆/初出 2020年8月5日)

GOOD PRODUCTS 100 (012/100)

new balance minimus MT110
購入時期 2012年

2012年頃、トレイルランナーはナチュラル(ベアフット)ランニングブームに沸いていた。

ぼくのナチュラルランニング初体験は、new balance minimus MT10だった。トレイルランを始めてすぐに膝を壊してしまい、ふとしたご縁で参加したminimus試履会でナチュランランニングに開眼。もともとnew balance信者ということもあり、すっかりminimusにはまってしまった。

このMT110(「ワンテン」と呼ぶ)は、当時のnb契約ランナー“トニー”ことアントン・クルピチカが開発したと言われている。インソールなし、小ドロップ(4mm)、vibramソールというminimusのフォーマットは踏襲しつつ、特徴的なのは光沢感のあるシンセティックレザーのアッパー。文句なしにかっこいいのである。

また、つま先が少し内側を向くフォルムは、なんとなくAldenのモディファイドラストを思い起こさせる。スポーティーであり、トラディショナルでもある。このかっこよさは、脚について考え抜かれたことから生まれたフォルムなのかもしれない。

そしてかっこいいだけではない。最高に楽しい。最小限に確保されたクッション性と安全性は、トレイルを走るにはベストバランス。楽しさにおいて、このMT110を超えるシューズにはいまだ出会えていない。

ちなみにこのウルトラマンカラーは二足目で、一足目は黒×オレンジカラーだった。MT110の欠点として、パンチングのアッパーが破れやすい。あまりにも好きだったので、ウルトラマンカラーは破れる前に引退させた。

時代も変わり、今は昔と比べ物にならないくらいトレイルランニングシューズの種類は増えた。安全性、速さ、様々な目的で開発された高性能シューズがいくらでも選べる。でも、楽しさはどうだろう。ストーリー性はどうだろう。

機能はアップデートされたら忘れ去られてしまう。しかし、楽しさやストーリー性はいつまでも心に残る。

※個人の感想です。
※認識違いがあったらごめんなさい。

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