BLOG - 渋井勇一(RASSLIN'&CO.代表 / Mountain Martial Artsディレクター)

1993年のnew balance。(GOOD PRODUCTS 100)

(インスタグラムから転載・加筆/初出 2020年7月30日)

GOOD PRODUCTS 100 (003/100)

new balance M1300
購入時期 1993年/2000年/2015年

ぼくのスニーカー原体験はnew balance M1300だった。でも、Classicのほう。

UAに入社すると先輩方がオリジナルの1300を履いていて、「アメリカ大統領やラルフ・ローレンが愛用していた」「スニーカーのロールスロイス」と聞かされ、どうしても欲しくなった。

しかし、残念ながらオリジナルはもう入手できない。そんな時に出会ったのが”M1300 Classic”。ソールも素材もオリジナルと異なるし、先輩方からの評判はイマイチ。それでも「今でも買える1300」はぼくには魅力的だった。

ということで、1993年に原宿のラブラドールリトリーバーで並行輸入品のM1300 Classicを購入。当時は日本では正規の取扱いがなかった。

履いてみたらその履き心地の良さにビックリ!それまで履いたスニーカーとは比べ物にならなかった。それからは完全にnew balanceフリークとなり、今でも一番所有しているスニーカーはnew balance。

購入してから25年以上。M1300 Classicはまだ手元にある。ソールは加水分解し、ライニングもひび割れ剥がれてしまっている。もちろん履くことはできないので、”元スニーカー”という感じ。

ぼくはコレクターというわけではなく、捨てられない症候群。捨てる決意がないから手元に置いてあるだけで、「捨てよう」と思った瞬間にこの元スニーカーはゴミになる。

捨てないのは、思い出があるから。モノはただの物質ではなく、思い出を含んだアルバムのようなもの。でもぼく以外の人にはただのゴミ。

こちらは2000年の復刻版。「完全復刻」というフレーズのもと、日本企画&MADE IN U.S.Aで始まった復刻シリーズ。一発目の1995年版も持っていたが、なんだかもったいなくて履かないまま手放してしまったので、あらためて2000年版を購入した。

今でこそ1300を超える履き心地のスニーカーは存在するが、その時は復刻とはいえ「スニーカーのロールスロイス」を履ける感動はひとしおだった。トラッドスタイルに合わせやすいコンサバテイストで、ヘビーローテーションで履いていた。

しかし、こちらもソールが剥がれ、ライニングも破れた。new balanceで公式の修理サービスをやっているのを見つけて一度修理したが、それ以外のところもボロボロになってしまい履くことはなさそう。new balanceは素晴らしい履き心地と引き換えに耐久性が犠牲になっている。

2015年版を心優しい方から譲っていただいて、今はそちらがメイン。2020版は残念ながら入手できなかった。

昔はそこそこ頑張れば欲しいスニーカーは買えたけど、今は二次流通の発達、つまり転売目当ての購入が多く、なかなか入手できない。そもそもスニーカーは革靴と異なり、時が経てば使えなくなるのは1300が証明済み。今のスニーカーブームの未来は如何に。

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