BLOG - 渋井勇一(RASSLIN'&CO.代表 / Mountain Martial Artsディレクター)

スローライフ、スロートレイルラン

2010年4月4日。

ぼくはハセツネ17kというトレイルレースに出た。トレイルランニングも初めてのことなら、スポーツの大会に出たのも初めてだった。運動が苦手で嫌いだったのだ。

なんともう10年も経っていた。

初めてのトレイルランニングは本当にツラく(なにしろ運動歴ほぼなしで挑んだ)、なんとか完走した時に思ったことは、「二度とやらない」だった。

まさか、それから50kとか100kのレースに出たり、トレイルランニングの大会に出るために海外に行くようになるなんて思いもしなかった。

もちろん、自分でブランドを始めることも。

さて、いよいよ東京都にも緊急事態宣言が出た。とはいえ法的強制力はないのだが、中目黒近辺でも多くのショップがクローズしている。政府よ、早く休業補償を!(その話は長くなりそうなのでいずれ)

ぼくはもともと徒歩通勤でひとりオフィスのデスクワークなので、粛々と仕事をしている。打ち合わせもなく、静かな環境でついつい普段はできないオフィスの片付けや掃除なんて始めちゃったりして。

時間や締め切りに追われない、いわば新型コロナウイルスによる強制的なスローライフ。

外出自粛要請が出る前、ラン友たちと高尾に行った。北高尾から入り、高尾山口に戻るコースで、地味にキツかった。始めた頃とたいして実力が変わっていなさそう。

ラン友は2012年のSTYに出たトレイルラン同期生。道中、実は2012年にSTYの前に夜間練習で夜の北高尾に来ていたことを思い出した。おそらく今回と同じコース。

新型コロナのためにトレイルランも国内外問わず多くのレースが中止になり、ぼくもいくつか予定が流れてしまった。でも、そういう時こそトレイルランニングとの付き合い方を振り返るよい機会とポジティブに受け入れよう。

何度か書いているけど、トレイルランニングには運動嫌いだったぼくが10年続けるどころか、ブランドを始めてしまうくらいの魅力がある。

レースに出なくても、山の近くに住んでいなくても、トレイルランニングという存在が遠ざかることはない。トレイルランニングはもう人生の一部なのかもしれない。

始めた頃に比べればレースに出たり、山に行く機会は減っているけど、目標とするレースもあるし、行きたい山や国もまだまだたくさんある。これからもマイペースにトレイルランニングを楽しんでいきたい。

とりあえず外出自粛で落ちてしまった体力を戻さないとね。リセットしたと思えば、これからまた10年分楽しめるかな。

※スローライフ:スローライフとは「人生をゆったりと楽しもう」という考え方。バブル経済以降、日本では企業、文化、生活全般においてスピード化が進み、効率的ものがよいとされる傾向が強くなっている。だが、欧州の生活のように、日本でも人生をゆったりと楽しもうという考え方が「スローライフ」という言葉とともに提唱された。スローライフは地方に根付くゆったりした生活を肯定し、会社においても有給休暇の完全消化、「残業ゼロ」によって生活にゆとりを持たせようという姿勢をもつ。

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