ラブラドール中曽根さんの連載タイトル「勝手に思っていること」を借りてここに「代官山カフェについて勝手に思っていること」を記す。
会社のすぐ近くにあるFLUXカフェが本日をもって閉店する。およそ10年くらいの営業か。またひとつよく利用するお店がなくなる。八幡通りの真ん中にあった、アースカフェもなくなった。コーヒーを飲みながら打ち合わせできるスペースが消えるのはこのあたりで働く者にとっては不便。まあ、我々の生活圏である代官山の東北ゾーンはあまりイケてないのだろう。スターバックスもないしね。
アースカフェがあった場所はその昔、NTTの窓口であった。電話開設の相談や電話料金の支払いなどをする店舗。その後、店は閉鎖、そして移転統合され跡地に室内ゴルフ練習場ができた。30代になったばかりのワタクシはこの道場で腕を磨いたのである。元野球選手であったアシナコーチはいまどこで何をやっているのだろう。
その後、このスペースはふたつに分岐し、いまもあるナチュラルローソンとアダストリア系のブティックになった。ナチュラルローソンができた時は、なんだかロハスでサステナブルな感じがしてウキウキしたものだ。ナチュラルって響きがいいよね。
その後ブティックが撤退し、しばらく空室が続いていたところプロゴルファーの丸山茂樹さんが、ロサンゼルスのマンハッタンビーチ発祥のアースカフェを持ってきた。ナチュラルローソンの隣にオーガニックなカリフォルニアスタイルのカフェ。これはもう意識高い系の人たちが溜まるエリアになる。しかしまったくそうはならなかった。なんだろう、おしゃれさの方向性がちょっと代官山とは違ったのかもしれない。
その後、経営が入れ替わったものの、側から見て成功しているようには見えなかった。後発のブルーボトルなどサードウェーブが勢いを増すのに比べ、ますます見劣りするようななった。旧山手通り方面の表の代官山に比べると東北地方のこちらはどうにも経済格差がある。向こうはいいよな、蔦屋があるし、スタバも、なんならミケランジェロ(リストランテASO)、定食屋も一芯とか行列店ばかり。ほっといても人は流れる。いまでは末ぜんまで行列しているくらいだ。SNSとエモいカルチャーが猛烈にあのあたりを覆っている。
ちなみにこのFLUXカフェは以前は、NIGOくんのスニーカーショップだったり、アパレルメーカーのオフィスだったりしたところ。いまのところ次の利用法については何も決まってないとお店のスタッフは言うのだけど。たぶん上の空手道場のオーナーは何か考えているでしょう。個人的には美味しいコーヒー屋が入ってくれると嬉しいのだが。ともかくスタッフのみなさん長い間ありがとうございました。
しかし代官山は相変わらず飲食不毛の地。いまでは成功している店もぼちぼちあるけれど、まだまだですね。