BLOG - 蔡 俊行(フイナム発行人)

引き返せない国民性

 やってみないとわからないことって結構ある気がする。

 トランプがやっていることは、これまでの常識とは全然違うことだから、多くの識者はそれを否定したり、バカにしたりする。このところの関税についてとか。確かに理屈では自分自身も多くの識者の意見に同調する。しかし一方でやってみたらこれまでとは別の景色が見えるんじゃないかなんてどこかで思っている自分もいる。

 頭のいい人の考えることがいつも正しいわけではないというのは歴史が証明している。過去の戦争を持ち出すまでもなく。

 例えば東京から千葉木更津を結ぶ、アクアライン。1997年の開業当時は建設費から割り出した通行料4000円であったが、道はいつもガラガラ。こんなんでは未来永劫回収できないなんて意見も取り沙汰されていた。その後3000円とかに値下げしても立板に水。推定交通量の見通しが甘かったなんて批判された。なんだかこれいまの社会保険料問題に通底しているところもある。

 2009年、森田健作知事(当時)が通行量を片道800円に値下げした。すると通行量はそれまでの4倍以上になり、いまでは渋滞がひどくと我々は文句ばかりを言っている。

 いま盛んに話題になっている消費税。これも役人やら一部の政治家が減税とか廃止したら大変なことになると騒いでいるが、どこかの誰かが一点突破してやってみたらいいのにと思わなくもない。

 やってみないとわからない。失敗したと思ったらどこかで引き返せばいい。

 そんなの簡単に引き返せないよ、という声が聞こえてきそうだが、引き返せなかったから、あの太平洋戦争で310万人もの日本時の命が奪われた。

 我々のような小さい組織だったらトライアル&エラーができるけど、政策となるとそうはいかないのかな。

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