BLOG - 蔡 俊行(フイナム発行人)

スキーショップジロー

 このところ毎年この季節になると北海道の美瑛に誘われるようになった。一昨年からなので今回が3回目。滞在中の余暇しのぎとしてスキーを楽しんでいる。

 バブルど真ん中世代として、しかも当時風俗文化の先端を行く雑誌の編集部にいたからそれこそスキーは目の前にあった。編集、ライター、カメラマンたちは大勢のグループでスキーを楽しんだもんだ。しかしそこに自分の姿はなかった。どうも寒いのが苦手というのと、未経験という関門があり、雪山を遠ざけてきた。

 およそ10年ほど前、アメアスポーツさんの計らいで、フイナム編集部から数名、野沢温泉スキー場に招待された。そこで生まれて初めてスキーを体験することになる。

 そこからは雪崩打つようにハマってしまった。狂い咲きの遅咲きだ。

 この週末、新しいスキーウェアを探しに青山のスキーショップジローに行ってみた。お店に入るのは、20年ほど昔友人のブーツの買い物に付き合って以来。

 カルチャーショックだった。

 知らないヨーロッパのスキーブランドの想像の斜め上を行くデザイン、カラーリングのウェアが所ぜましと並んでいる。誰が着れるのかというアヴァンギャルドなものから、ステージ衣装のようなものまでラインアップがすごい。確かにゲレンデという特殊舞台では、これくらい強烈な個性を発揮した方がカッコいいのかもしれない。アルプスが似合うこんなウェアを鄙びた湯沢あたりの小さなスキー場で着るのは少し勇気がいるなと思いつつ、物色した。

 面白い。ウインドショッピングでこんなに色めきたったは久しぶりだ。見たことも聞いたこともない新しい情報がここにはある。セレクトショップはこうでなくちゃ。

 服のセレクトショップで興奮するという経験を失ってだいぶ経つ。どこも似たような品揃えで似たようなトレンドを追っている。お店側からすると失敗しない品揃えなんだろうが、買う側からすると金太郎飴にしか見えない。個性的であればあるほどリスクは高いのは承知だが、ジローのようなお店が50年以上も継続していることを考えると何かもうすこしやり方があるのではないかと思った。

 外野からは好きなことが言えますね。

 

 

 

 

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