BLOG - 蔡 俊行(フイナム発行人)

タクシードライバー

 インバウンド客がすでに2000万人を超えたらしい。史上最速ペース。このままだと重さで日本列島が沈んでしまうかもしれない。

 若い頃、海外へ行くにはトラベラーズチェック(小切手)を持ってくのが安全と言われていた。チェック社会のアメリカならともかく、ヨーロッパでは怪訝な顔をされたけど使用するには問題がなかった。日本に戻りふと考えた。日本に来る観光客はチェックを使えるのかしら。たぶん無理だったと思う。当時、服屋でバイトしていたが、チェック出されてもどう対応していいのか教育されていなかった。

 あれから40年以上経って、世の中は大きく変化した。

 クレジットやデビットも飛び越えてスマホで電子マネー決済が主流だ。支払い方法の選択肢が増えすぎて逆に面倒になった気もしないでもないが。

 ところで。

 こんなにインバウンドが増えたのは日本が世界に誇るおもてなし精神(サービス)と美味しいご飯、さらには円安やら、失われたデフレ40年などが複雑に絡み合ってのことだと思う。

 外国から訪れた人が誰もが絶賛する日本のサービスだが、唯一世界に遅れを取っているのが最近のタクシーである。若い運転手さんが増えたのはいいけれど、とにかく道を知らない。渋谷区内で拾ったクルマで「明治通りを恵比寿方面へ」と言っても、明治通りを知らなかったりする。先日は表参道へお願いしますと言ったら、「どこですか?」と問い返された。びっくりカメラかなんかと思い、車内を見渡してしまったのは愛嬌だが、こういうレベルの運転手さんが増えた。コロナ以降、引退されたベテランドライバーが多く、人手不足はわかるのだが、プロ意識というものをもう少し持ってもらいたい。

 40年前、初めてロンドンに行ったとき、時の師匠から「ロンドンのタクシー運転手になるにはかなり厳しいテストに合格しなければならない。彼らはどんな小さな道の名前もすべて記憶している。だから市民からリスペクトされている存在なのだよ」という話を聞いたことがある。

 そこまでしなくてもいいけど、もうすこし努力してほしいね。あと停車するときもっと歩道側に寄せて止めてほしい。道の中央で乗降者させてる不届き者、後ろが大渋滞だよ。

 

 

 

 

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