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BLOG - 蔡 俊行(フイナム発行人)

都会が高ければ地方に住めばいいのに(アントワネット風に)

 コロナで拡まった地方移住やら二拠点生活やらがまた見直され始めている。リモートワークの不便さで働く人たちのセレンディピティ、コラボレーションの機会が減り、創造的な仕事ができなくなった弊害が大きいのかもしれない。職場でのちょっとした世間話などが新ビジネス、サービスのアイデアの繭となり、大きく羽ばたいていく可能性が無くなるのは惜しいということだろう。

 しかし最近の住居費の負担上昇が普通ではない。都心のマンションは過去最高値でこれがバブルかと問われると多くの人がそうではないという。つまりこの先も大きな値崩れはありそうもないということらしい。天邪鬼なぼくとしては、そういう話こそ頭から信じないので、たぶんどこかで天井打つと考えている。マーケット予想なんて当てようとして当たるもんではない。適当なことを言って、将来たまたまその通りになった人が鼻の穴を膨らませるだけのこと。

 たまに東京郊外の他県に遊びにいく機会が多い。例えば千葉や茨城。クルマで走っているととてつもなく広がる平野があったりして、余っている土地をぼんやりと眺める。ほぼ何もないこれら平野に小さな集落、ちょっとした進歩的なコミュニティができて働く場、憩いの場、遊びの場が提供されたら。この小さな経済圏だけで完結でき、用があれば都内に1時間ほどで行ける。マンションでも一軒家でも建て放題。キャピタルゲインはあまり得られないけど、心地よい暮らしができる。そんな集落ができればいいなと思う。

 TSMCが熊本県菊陽町に建設した半導体工場がよくニュースになる。地価高騰も懸念されているけど、ぼんやり考えているアイデアに近い。菊陽町に気の利いたカフェやレストラン、ギャラリーなどができ、アーティストなどが住める環境になればまた違う文化が生まれると思う。経済人や政治家からみるとそういう吟遊詩人的な人たちは目障りかもしれないが、意外とそういう人たちこそエリアを活性化させる鍵のような気もする。

 アメリカの都市などでスラム化したエリアに、アーティストが集まり、ギャラリーが移転し、カフェがオープンし、ヒップなレストランやホテルができてジェントリフィケーションが起こるというのを何度も目にしてきた。ニューヨークのソーホーやミートパッキングディストリクト、あるいはブルックリンなど。

 とりとめもなく思い浮かんだことを書いたけど、地方活性とか東京一極集中とか、勉強ばかりしてきた人たちだけに任せるのはどうなのかなと思った次第です。

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