10年ほどまでずっとサッカーをやっていた。いわゆる11人制でフルコートを使う草サッカーだ。多摩川の河川敷や都内の運動場、なんなら近県まで足を伸ばしてボールを蹴っていた。ケガが絶えなくてさすがに足が遠のいたが、いまでもたまにフットサルはやる。機敏に動けないけどそれはそれで楽しいもんである。
その昔、編集仲間が某巨人軍を引退してスポーツコメンテーターのような仕事をしているある投手をサッカーに連れてきた。それはもう誰もが知ってる有名投手。甘いマスクで女性人気も絶大だった。
野球選手って会ったことある人ならわかると思うが、とにかくみんなデカい。同じ日本人とは思えないくらいにデカい。この元投手もそうで、普通引退したらぶくぶく太る人が多い中でスリムでスタイリッシュであった。聞くと現役を退いてもジムに通ったりと絞ってるとのことだ。
で、サッカーであるが、もうこれはどうしようもなくヘタクソであった。そりゃあそうだ。野球選手にサッカーやらしてるんだから当然と言えばそうなのだが、しかしどう言えばいいのか、運動のセンスがないとでもいうのか身体の使い方がヘンというかなんというか。野球の中でも投手というのは特殊なポジションで、早いボールが投げられれば俊敏さとかそういう問題は不問にされるのかもしれない。
昨日、営業募集の原稿を書いた後になんとなくあの日の出来事を思い出していた。うちの場合、一芸に突出するというのもいいのだが、まんべんなく運動神経のいい人材のほうがいい。この運動神経というのは比喩である。要するに地頭のいい人ということ。受験勉強を頑張って良い大学に入り、役人になったものの文化芸術はさっぱりというより、浪人して中堅大学に入りなんなら中退だろうが、周囲に心配りができて、相手の要求を咄嗟に汲み取れる、そんな人。そして相手のちょっと先をいく提案ができる的な。飲食店スタッフなどでもこういうのでサービスに大きく違いが出る。
地頭というには少し違うかもだが、まあ気づく人とでもいうのだろうか。
昔、コーヒーの宣伝で「違いのわかる男」というコピーがあったが、そういうこと。ネスカフェ・フォールドブレンドだったな。ところでネッスルはいつからネスレになったんだろう。