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BLOG - 蔡 俊行(フイナム発行人)

トロッコ問題的な

 サミットが終わり、株価も好調で内閣支持率が高いというので、選挙が近いかもしれない。選挙のたびに思い出す話を。

 太平洋戦争が終わる寸前の昭和20年8月9日、ソ連が満州に攻めてきた。条約違反だがいまも昔も彼の国は約束を守らない。

 生活していた人たちにすれば、たまったもんじゃない。どんどん攻めてくるソ連兵から多くの日本人が命からがら逃げてきたが、少なくない人たちが犠牲になったという。

 この逃避行中、洞穴のようなところである村の人たちが隠れていると赤ちゃんが泣き出した。すぐ外にはソ連軍。この子が泣き止まないとこの子だけでなく、ここにいるみんなが殺される。

 赤ん坊に手をかけるべきか、それとも。

 戦争は残酷で不条理である。

 政治家というのはこういう時、どういう決断をするべきかを決める覚悟を持った人がなるべきだと思う。その決断に正解はない。誰もが納得する解決策がない事柄を哲学と矜持と信念を持って決定するのが政治家の仕事だ。

 国会を見渡してみてそんな政治家、果たしてどれくらいいるのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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