BLOG - 蔡 俊行(フイナム発行人)

水と安全

 数日前、狛江で老齢の女性が自宅で強盗に襲われて亡くなった事件には戦慄した。こんな乱暴な強盗事件があちこちで起こっているという。どれも雑といってもいい手口である。だからこそ怖い。

 刹那的な欲望を満たすための犯罪。これは防ぎようがない。宅配やガスメーター検診とか言われると誰もが玄関を開けてしまう。気をつけろといわれてもいまの世の中では難しい。せめてオートロックのマンションならまだしも一軒家は狙われたらどうしようもない。

 しかしそもそも家の中に3000万円とかそんな大金を置いているところがあるというのもこの事件ではじめて知った。不用心だから現金は家に置かない方がいいと思うのだが、銀行は信頼できないということなんだろうか。

 さらに、そこにそれだけ現金があるってどうして犯人グループは知ったんだろう。謎だらけである。

 実は当社にも3年前の暮れに泥棒が入った。それなりの被害を被った。契約している警備会社も数分後に駆けつけてるんだけれども、犯行はあっという間のことだったという。警備会社の係員も族と面合わせても何もできないというのはこのときはじめて知った。要するに戦うとか、捕まえるというような行動はしないでただ見ているだけだという。ちょっと驚きであった。

 そして昨年の春に同じ手口でまたしても泥棒が入った。しかし今回は防犯カメラの映像で後日犯人は捕まった。そして驚いた。知っている人物だったのだ。しかも3年前の犯行も自分がやったと認めたという。

 人間不信になるとはいわないが、人を見る目が変わるようなできごとだった。怒りより、がっかりが先に来た。

 ケガをする者はいなかったのがせめてもの幸いだ。そこがここんところの事件と大きく違う。

 とにかく大きな現金は家に置かないことが大事である。もちろん会社にも。

 この先、日本も水と安全はただとは言えない社会になりそうだ。

 

 

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