円安が更新されているというニュースが連日メディアを賑やかしているが、2〜3日前だったか「この水準は32年ぶり」というのがあった。32年。今年が2022年だから計算しやすい。1990年である。
この1990年は思い出深い年である。なぜならこの年の春から秋までアメリカ・ボストンで過ごしたからだ。
時はバブル景気。好景気に沸く日本からの滞在だったので、円ドル水準が150円前後でも、アメリカの物価は相対的に安かった。当時は東京が住居費やありとあらゆる物価において、世界で最も高い水準だと言われていた頃だ。
かといって何でもかんでも安いというほどではなかった。ほぼ同水準。ただビールなどは驚くほど安かった。これは日本と向こうの税制の違いもあるのだろう。
そこから10年もしないうちにドルは100円を切った。こうなるとアメリカ国中がバーゲンセールである。90年代半ばから00年代はじめにかけて、毎月のようにアメリカへいっていたから、買い物はすべて向こうで済ませた。
いま外国から来ている人たちは、この快感を貪っている。いいなあ、羨ましい。
こういう相場は突っ張ったり、撓んだりしながらちょうどいい所に収斂していく。
我々の仕事には円安は直接響くわけではないけど、この不安定な相場は早く落ち着いて欲しいものだ。
そういえば、90年も中東で戦争があった。多国籍軍なんて言葉をはじめて聞いたのはこの戦争だった。