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BLOG - 蔡 俊行(フイナム発行人)

どうぞ大岡裁きで

 以前、某私鉄沿線の駅から歩いて数分のマンションに住んでいた。このエリアは昔から面白い飲食店が発出するところで、有名なお寿司屋さん、お好焼き屋さんやラーメン屋さんなどがある。駅を中心に南側と北側に伸びる商店街もあり、近くには大学も多いのでとても過ごしやすい街だった。

 子どもが近くの学校に通っていることもあり、そこから、あるいはクラブ繋がりでコミュニティが広がり、まるで自分にとって第二の故郷のような街だった。

 住居も気にいっていた。

 事情があり、終いにはひとりでそこに住むことになるのだが、その間悩まされていたのが、鳩の騒音である。毎朝5時前に寝室側のベランダにやってきては、羽音と鳴音で起こされる。管理組合も襲撃を知って各住居ベランダにネットをかけたり、鳩対策を講じるのだが効果が出ない。というのも全住居一致で対策すれば鳩の居場所もなくなるが、ネットをかけるのをいやがる世帯もいる。そこに鳩が集中して押し寄せ、さらにそこでヒナが孵るもんだから何世代にも渡って鳩がいつくようになるのだ。なんせ帰巣本能を買われて伝書鳩にされる動物だからね。

 ネットがあろうが、鳩封じの障害物を設置しようが、ネットかけてないベランダをベースにこちらにも攻めてくるようになった。

 何年もこいつらに悩まされてると、頭がおかしくなる。ある時などはエアガンを買って打ち落としてやろうと本気で考えネットを物色していた。そんな話を友人にしたところ、「それって、動物愛護管理法か鳥獣保護法かなにかに抵触するんじゃないかな」と指摘された。調べたところ確かにそうだ。それを犯すと罰せられるとある。

 ああ、もうだめじゃん、などと頭を抱えていたところ、また別の事情でお気に入りの住まいを転居することになった。気に入っている思い出の地を離れるのは無性に寂しい。が、それよりこいつらとさよならできることの方が嬉しかったことを覚えている。

 さっき、ランチ中、ネットニュースを読んでたら、北海道でたんちょうをエアガンで殺した人が捕まったというのがあった。畑を荒らされ百万単位の損害に頭にきてからの威嚇射撃だったらしいが、気持ちは痛いほどわかるぜ。

 

 

 

 

 

 

 

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