BLOG - 蔡 俊行(フイナム発行人)

アメリカの底力

 持論であるが、すべての学生は職業訓練のためにアルバイトとして調理場に入るべきである。調理場には仕事の段取りのすべてがある。優先順位、並行作業、共同作業など。

 例えばパスタを作る。

 まず最初にやるのは、材料を集めるよりもまず湯を沸かす、だ。鍋を火にかけている間に材料を切るなど下拵えする。お湯が沸いたら麺を入れ、そして同時にソースを作る。ソースは茹で上がる前にできていて、茹で上がった麺を和える。そして器に盛りあわせて供する。

 材料を揃え、ソースをつくった後、鍋に火をかけるなんてことをやっていたんじゃ、先輩シェフに怒鳴られる。

 いまの日本のワクチン開発や承認は、シェフに怒鳴られそうな優先順位を無視したプロセスでおこなっているようにしか思えない。縦割り行政で省庁をまたいでやっているから遅れてるのだろう。法律がそうなってるからというのも理由のひとつ。

 しかしいまは有事である。法律はあと回しにするべき時なのではないか。

 こういうことはアメリカは得意である。わずか14ヶ月でワクチンを完成させたフロー図がペンタゴンのHPにあった。上の横棒グラフが73ヶ月かかるとされる典型的なプロセスで、下が今回の高速プロセス。鍋に水をはるどころか熱湯をぶっこみ、ソースも盛り付けも同時にやってるそんな感じ。

 こういうの見習わないとね。

 

 

 

 

 

 

 

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