Netflixで英国王室、というかエリザベス女王の治世を描いた「ザ・クラウン」を熱心に観た。シーズン4が終わったところで、この先シーズンは6まで続くというから楽しみである。すでにファッション関係の人たちがSNS上などで指摘しているように、当時のファッション、風俗的な視点からもとても楽しめる作品だ。ここの読者はほぼ男性だと思われるが、おしゃれで名高いウインザー卿のそれを見るだけでも価値はある。
最新章では首相がサッチャーだったが、序盤はチャーチルである。あの第二次大戦で大きなリーダーシップを発揮した英国の英雄だ。ドラマでは人間臭いところまで描写されていて、親しみを感じたりもするのだが、やはり大政治家である。リーダーというのはこうでなくてはなんて思う。
立憲民主主義である英国と、立憲君主制に近い形態(これにはいろいろ見方があるのでこんな表記)の日本。いずれにせよ、政治リーダーの上に女王や天皇がいる。ともに政治に直接関わらないけれど、制度としては似ている。
いまのボリス・ジョンソン首相がリーダーと呼ぶにふさわしいかどうかわからないが、いまのうちらの首相はリーダーと呼ぶには値しない。その前の首相もしかり。
チャーチルもそうだが、日本にも昔はもう少しリーダーシップを発揮してくれた首相がいた。時代が下るにつれ、政治家も器も小ぶりになってくるのかもしれない。
そんな世界のリーダーだが、どの国にもそんな為政者の風刺したジョークがある。いちばん気にいっているのが。以前この欄でも紹介したもの。
これブッシュをこのまま安倍晋三に変えても通りそうな話。
それ同等に好きなジョークが、いま流行りの例の女性蔑視発言の森某氏のもの。
日米首脳会談に招かれた英語の苦手な首相が、事前にレクチャーを受けた。
挨拶は「ハウ・アー・ユー?」、そして「ミートゥ」だけだと。
クリントンと対面した首相は、開口一番「フー・アー・ユー?」とやってしまった。
たじろいだクリントン。一種のジョークかと思い、ふざけて「アイム・ヒラリーズ・ハズバンド」と答えた。
そして首相は「ミートゥ」と答えた、というもの。
これジョークじゃなくて、本当にあった話みたいに聞こえるから始末が悪い。当時、さも本当にあったことのように報道され、元首相もお冠になったという曰く付きの後日談まである。
でもこれくらいの知能だと日本国民が思っていたということである。
政治家を選ぶのはぼくらだから、もうすこしまともな人を選びたいもんである。