9月に発売する予定だったフイナム・アンプラグド。我々がこの雑誌をつくっているということは関係者間では広く知られていることだが、春と秋の年2回刊ということはほとんど気にされてない。人によっては、「先月号はどうでした?」などと聞かれたりする。みなさん、存在は知ってはいるが、買うどころか書店でさえチェックされてないんだなと思う瞬間だ。別に悲しくはない。こういうのには馴れている。むしろ自分だってみなさんが一生懸命されていることについて、不勉強だったり不案内だったりする。さっき話してたことだってロクに聞いてなかったとか。いつも失礼してすみません。
もうみんな以前のように雑誌を読まないし、買わない。自分もそうだ。昔は新幹線に乗る前などは必ず書店かキオスクで何か読むものを買っていた。買わないで乗り込んだ自分を何度呪ったことか。
しかしいまはスマホがある。
ともかく雑誌は肩身がせまい。
ファミリーマートが10月から徐々に店内の雑誌コーナーを縮小しているという。コロナで需要が増したプライベートブランド商品のコーナーを拡充するための措置である。言い換えれば雑誌が売れないから。他のコンビニはまだ追随していないとのことだが、遅かれ早かれだろう。
書店数がどんどん少なくなっていく中で、コンビニは雑誌にとって最後のコンタクトポイントであった。事実、東京オリンピック開催の煽りを受け、店頭から姿を消したエロ雑誌を制作している出版社は青色吐息と聞く。この売り場がなくなったら、多くのファッション、情報誌は姿を消していくだろう。
習慣はマーケットを育てる。が、習慣が絶えればマーケットも廃れる。
いま来年3月の発売に向け、フイナム・アンプラグドの企画会議が終わったところ。これから粛々と制作していくのだが、果たしてこの後何号出せるのだろう。
これからは一号一号、これが最後と噛み締めながらクオリティの高い誌面を作っていきたいなと思う。
なんだか社内報のような文面になってしまった。スタッフ、誰も読んでないのに(涙)。