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BLOG - 蔡 俊行(フイナム発行人)

ごちそうさま中に考えていたこと

 中学高校を過ごしたのは70年代。その頃からなんとなくファッションに目覚め、情報を集め始めた。といっても当時インターネットはなく、その源は主に雑誌。流行通信、メンクラ、男専、そしてポパイ。まだメンズファッションの黎明期といってもいい時代で、世のほとんどの男性はおしゃれに関心はなかった。

 しかし80年以降、潮流は大きく動き、若い男性はどんどんファッションコンシャスになってきた。ちょうどその時代を青年時代として過ごしてきたので、これを職業にしようという思ったのも自然だった。

 そしてそこから20数年間、ファッションビジネスの隆盛を目の当たりにしてきた。消えるブランドも少なくなかったが、大きくなったブランドがその暗黒面をすべて覆い隠してきた。

 ファッションビジネスも人気商売。トッププレーヤーは常に入れ替わる。しかし顔ぶれは変わるとはいえ、一体今日のアパレルビジネスの失速を予見できただろうか。数年前から店の数は多すぎるとは思っていたが、このパンデミックをきっかけに流れは大きく動いた。

 変わって勢いが良かったのが、飲食業。すべてがいいわけではなく、一部の予約困難店。ファッションに例えると裏原である。連日長蛇の列だったあの頃。まさにこれがいま有名寿司店などで起こっている。

 予約席を持っていることをステータスと考えている人たちをみると、まるで原宿に並んでいた人たちと同じ年齢層。つまり団塊ジュニアの人たちだ。もちろん、IT系の若者も少なくないが。

 先週末、仕事の相棒に東麻布の予約困難寿司店に誘われた。

 とても美味しくいただいたて、ごちそうもしてもらってありがたかったのだが、こうした店もいまのアパレルのようにオーバーストアとなり、需給のバランスが崩れるんだろうなと意地悪く考えてしまった。少なくともタピオカ屋よりは息は長いと思うが。

 それにしても最近の予約困難寿司店はみんなおまかせで同時刻スタートある。食べたいものを食べたいタイミングで食べたいといつも思う。そんなこと思ってるの自分だけすかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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