BLOG - 蔡 俊行(フイナム発行人)

自主的ロックダウンの連休

 どこにも外出しない連休、というのもこれはこれでいいもんだと思った今年のゴールデンウィークだった。家にじっとしているもんだから、やることは食べるものの買物と支度、そしてその間はずっと本読み、たまに動画配信で映画かドラマを観るというルーティン。

 本はSNSで盛り上がってるブックカバーチャレンジで紹介した自分の中でモダンクラシックスと位置付けている海外文学作品を読み直した。

 特にアゴタ・クリストフの「悪童日記」三部作は、それぞれ二度づつ読み返した。やっぱり面白い。小説というのは、基本的に作り話なので嘘話なのだが、嘘であると登場人物に語らせているその「第三の嘘」という物語時代も嘘なわけで、もうこんがらがったり納得したりでそれなりに年取ってからの楽しい読書体験であった。

 配信サービスで良かったのはHBO制作の「チェルノブイリ」。シーズンいくつ、なんて長いものを観る体力というか気力がこの連休中にはなかったので、全5話のこういうミニシリーズがちょうどいい。それぞれ1時間くらいだから、すこし長い映画2本分くらい。

 事件が起きたのはぼくが20代半ば。遠い国の出来事だけど、雨の日は外に出ないようにしていた記憶がある。あそこでこういうことが起こっていたのだな。全体主義は怖い。

 ある意味、いまの武漢で始まったこの新型コロナウィルスも、初動で同じような判断や隠蔽などがあったのかもしれない。いろいろいまのこのアポカリプス的状況に示唆に富んだ内容。リアリティもすごい。

 天気も概ね良かったし、自主的ロックダウンを楽しんだ連休でした。たまに家の周りジョギングしたりしたしね。

 

 

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