「ひとりで時間を潰せる能力のことを教養という」。これは作家、中島らもさんが残した箴言である。この言葉がじわじわ効いてきている今日この頃だ。
時間を潰す方法がなくて遊戯場へ行ったり、緊急事態宣言発令後に歌舞伎町のキャバクラへ行ったどこかの野党の人なんかはそれが足りないのである。
SNSで流れてきた内田樹さんの「コロナ後の世界」に民主主義はまだマシだが、それは民衆が大人であることが条件であるとあった。果たしていまの世界に大人らしい振る舞いをしている人はどれくらいいるのだろうか。
首相がゴールデンウィークの帰省について、オンライン帰省をして欲しいと言ったとか。もう想像力とか人間力とかがまったく欠如しているとしか思えない。気の利いたことを言いたいと思ったのかもしれないが、まったく逆効果だ。
コロナの拡散を抑えるため、人の移動を制限したいなら、その通り言えばいい。この度の大型連休はウィルスの拡がりを抑えるために、帰省などは控えていただきたい、でいいんじゃないの。文学的資質、つまり教養のない頭で洒落たことを言おうとして馬脚を現したかたちだ。
普段、電話やメールとかでしかやりとりしていない人に直接会って体温を感じながら、直に空気の震える振動で声を聞く、あるいは母が息子の好きだった食べ物を用意してあげたいのであって、テレビ電話で話をしたいわけではない。
両親や祖父母に会えないのは寂しいとは思いますが、ウィルスを大切な人のところへ持ち込まないよう、今年は辛抱しましょう。次に会うときにお互いが笑顔でいられるように。くらいなことをテレビカメラに真正面に向かって言ってほしい。官僚の作った作文を読むだけじゃなくてさ。
ちなみにネットでこんなポスター拾いました。作者、センスいい。