BLOG - 蔡 俊行(フイナム発行人)

ガブローシュ

いろんなイベントが中止や延期されているのをみて、関係者の方々をとても気の毒に思う。昨秋、手前のイベントを行ったものだから、その準備の大変さがわかる。何ヶ月も前から企画、打合せ、準備をしてついにと思ったらこの度の騒動だ。仕方ないとはいえ、そこで生まれる収益がゼロになり、これまでの準備にかかった費用だけが無情にも出て行く。保険に入っていたからといってもすべてがカバーされるわけでもない。責任をどこかに押し付けるわけにもいかない。

不要不急の外出を政府は控えろと言われている。テレワークできる職種の人たちはいいが、接客などのサービス業の方たちはどうすればいいんだろう。バックオフィスな人たちと対面サービスの人たち。むしろ病気の恐怖で仕事に行きたくない人だっているだろう。職種によって、安全度が違うというのはちょっと不公平かもしれない。いっそのことすべての経済活動を2週間強、ストップするのはどうだろう、というのはあまりにバカげた考えか。すみません。

とはいいつつ、昨日も書いたように、今夕飛行機に乗る。いまのところこちらは咳もくしゃみも出てないからこちらから何かウイルスを発するという可能性は低いが、ちゃんとマスクと手袋をして向かうつもりだ。こちらの都合もあるが、このタイミングでは他者を不快にさせない気遣いをしなくてはならない。

空港はいまどうなってるのだろうか。人は閑散としていのだろうか。

情報によるとどの飲食店も客足が鈍っているという。これが長引き経営がたちゆかなくなると、どこに補償を求めればいいんだろう。初期対応に出遅れて被害をここまで広めてしまった政府か? それとも厚労省か? 自己責任?

映画館も大変だろうと想像する。今週末かかる作品で気になるのは「野生の呼び声」「レ・ミゼラブル」。

前者はハリソン・フォード主演のアメリカでは教科書にも載っているというものすごいポピュラーな物語。なんども映画化されたもののリメイクとでもいったほうがいいか。

配給ディズニーだし、俳優さんもいいのでそこそこヒットしそうなのにこの時勢では果たしてどうなるんだろう。

レ・ミゼラブルはあのヴィクトル・ユゴーのではなく、この物語の舞台になった現代の街で起こっていることを作品にしたものだ。

モンフェルメイユという街で移民と低所得者が多く住む犯罪地域である。試写を観させていただいたのだが、物語に非常に引き込まれた。警察官に対する態度に日本とフランスの違いがあるが、結構どこにでもありそうなシビアな話である。

権力対市民。都合の悪いことを隠そうとする権力側とそれを利用とする者。まるでどこかの総理大臣とボケな野党の戦いみたいではないか。

いろいろ示唆に富んでいて良い映画です。日本ではこんなガブローシュのような少年が数多く生まれなければいいのだが。人口減、格差が開く社会、それも時間の問題なんだろうな。

 

 

 

 

 

 

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