オフィスの向かいに古い一軒家がある。何年も管理する人がたまに出入りしているだけで、誰かが住んでいる気配はなかった。俗にいう空き家である。
一等地は言えないけれど、代官山の外れである。土地はみたところ100坪程度。これどうすんだろうと思っていたら、昨年暮れに売却されたという噂を聞いた。持ち主の方が他界されたとかで、どこかのディベロッパーが買ったらしい。
そして年が明けたところから解体工事が始まった。いままさにその真っ最中である。
敷地内には、小さな庭と母屋、そして離れに二階建てが二軒並んで建っていた。それを全部解体している。
4~5メートルほどの私道を挟んだ真向かいなので工事の騒音もそうだが、振動がすごい。まるで小刻みに震度2とか3の地震が連続できているような状態。
こんなに振動を受けていまいるこっちのビルは大丈夫か、と勘ぐってしまう。この小刻みなダメージによって、来るぞ来るぞと噂されている大地震で一気に崩れてしまわないことを祈るばかりだ。少なくともかなりのストレスをこの建物はいまうけていると思う。
そういえば、工事の前に菓子折りとかもらってないな。どうでもいいけど。