OWLの小牟田です。
毎シーズン、〈コモリ(COMOLI)〉についての私的な所感をこの欄に綴らせていただいているのですが、2024SSはだいぶ出遅れまして、桜ももうすぐ散ろうとする春真っ盛りでの更新となりました。
ルックの枚数も徐々に増えてきて今シーズンは何と88カット(70枚)。間引こうと思えばできるのですが、やはりこの順番、枚数にこそ意味があると思うので、全てを順番に掲載させていただきます。
熱心なファンならば気づいているかと思いますが、〈コモリ〉はここ数シーズン、ゆっくりと時間をかけながら色を削いでいます。
紺、白、黒をベースに、ごくまれにブラウンなどが登場するぐらい。服のディテールのみならず、色までをもミニマルに整理整頓し始めています。
その結果、このルックもよりストイックなムードをまとうことになりました。陰のある感じというか。かの谷崎潤一郎なところと共鳴している部分があるのでは、と勝手に思っている次第です。
大量の写真のなかで、時折挟み込まれる、なんでもないランドスケープの写真がこのコレクションのキャラクターを暗示しているのではないかと思うのです。
重々しい曇天の空、陰陽でいうと陰でしかない空間、寒々しい街の様子、雨粒のついたガラス窓など、およそ春夏シーズンのルックのなかにはふさわしくないように思えるこれらのカットこそが、このルックのミソなのではないでしょうか。
ちなみに、これはあくまでも自分がルックから勝手に受けた印象でして、小森さんから聞いた話ではありませんので、あしからず。
今季もいくつかオーダーさせていただきまして、腕を、足を通すのを心待ちにしています。こうして単純に応援できるブランドがあることを本当に嬉しく思います。 要は推しですね、ただの。