OWLの小牟田です。
本日、春一番が吹きました。例年より2週間ほど早いとか。
早くも花粉が飛び交っているとのことで、冬はもう去りつつあるようです。
なんだかあっけないですね、とても。
冬、というか寒いのはキライですが、冬が弱いのは妙に寂しくなります。
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そんななか、温泉、いやONSENの話をさせてください。
写真家の山谷佑介さんが、15年ほど前からスタートしたという「ONSEN」プロジェクト。
“野湯と呼ばれる自然の中に自噴する整備されていない温泉巡りは、山谷がカメラを手にして間もない15年程前から始まり、友人や家族、時にはSNSやZINEで希望者を募り現在も続けられています。それら一連の実践は、時間を超えて変わらずに存在する自然や人間の姿を記録する撮影行為だけにとどまらず、ありのままの風景に身体を介在させて、人間と世界そのものを捉え直そうとする試みです”
現在、新井薬師の「スタジオ35分」にて、写真展が開催されています。
温泉ではなくONSENであるからにして、ほっこりホワホワではなく、シャープでシリアスなのですが、どこかプリミティブな温もりがある、そんな印象。
山谷さんといえば、パンク好きで革ジャン着て、みたいなイメージを持つ方もいるかと思いますが、実際にお話しをしてみると、実に思慮深く静謐な方だなという印象を受けます。
「スタジオ35分」のポッドキャスト「ラジオ35分」でご本人が語っていましたが、
「自分はアンビエントなんです」と。
すごくしっくりくる言い回しだなと、勝手に納得してしまいました。
自分個人としても“アンビエント”な部分がある人、作品、場所が好きなんだなと、この歳になって改めて思います。
湧き出る温泉や硫黄を直接紙に写し取ることで生まれた模様をシルクスクリーンと特殊加工で再現したそう。
昨年制作された「シングル盤(本人談)」が、写真の『ONSEN 1』。この先も制作は続いていくとのことで、そのうちアルバムが出るのでしょう。
ここ数年、ご多分に漏れずしっかりとサウナにハマっていましたが、最近はその興味が徐々に温泉に移ってきたところで、この展示が妙に心に沁みましたという話でした。