OWLの小牟田です。
〈COMOLI〉2023AWのルックが公開されました。
〈COMOLI〉は自分にとって特別なブランドで、ルックが公開されるたびにニュースを書かせてもらったり、こうしてブログで文章を綴らせてもらったりしています。
先シーズンはモデルを使わずに、物撮りでそのコレクションを紹介したわけですが、今シーズンは複数人のモデルを起用したスタイルとなりました。
これまでの〈COMOLI〉のルックは、特定のイメージがつくことを忌避し、モデルを起用してもその表情が見えない表現となっており、執拗なまでに匿名的であることにこだわってきました。
それが今シーズンはご覧の通りです。ただ、顔が出ようが出まいがブランドのテーゼは変わりません。いつものように、すべてが曖昧で、断定を拒むようなムードが全体を包んでいます。
これらのルックが、いつ、どこで、どのように撮影されたのか、そうしたディテールは薄ぼんやりとしたモヤに包まれています。たとえば、1997年にドイツのベルリンを拠点に、なんの変哲のない裏通りとアーティストのアトリエで撮影された、と聞けばそういうふうに見えてきませんか。
どこまでいってもアノニマス。何を着るかではなく、誰が着るのか。たかが服、されど服。
〈COMOLI〉の服を見ていると、オーバーサイズはもう終わりだとか、次はまたスキニーが来るとか、クワイエットがどうとか、そういうのはどうでも良くなります。仕事上、日々トレンドを摂取せねばと勤しんでいる自分からすると、その感覚になれることにとてつもない解放感を感じます。
いいルックというのは何度も何度も見返してしまうものです。一度見て満足してしまうようなルックは、何かが足りてないのだと思います。今回の〈COMOLI〉のルック、とんでもない枚数があるのにも関わらず何回も見返しています。公式サイトで展開されているスライドショーにて、ゆっくりと閲覧するのが一番いいのではないでしょうか。
見返してしまうでいえば、先日発表された〈UNIQLO : C〉のルックもいいなと思いました。あれも何度も見返しています。そのことも後日書こうかなと思います。