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BLOG - 岡田哲哉(グローブスペックス 代表)

アメリカ出張

先々週まで出張でアメリカに行っていました。今回はテキサス州の州都オースティンと、ニューヨークです。もちろんメガネにまつわる出張なのですが、それ以外にも面白い発見がたくさんあったので紹介します。

今回はまずテキサスに入りました。今までアメリカ南部はニューオーリンズのみで、テキサスは初めてです。昨年くらいから知り合いのアメリカ人たちに、オースティンは最近新しいショップ、レストラン、ホテルがどんどんとオープンするなど、街の発展が注目されていると聞いていたので訪ねるのが楽しみでした。

オースティン一の目抜き通り「South Congress Street」で。「Selfedge」オーナーのKiyaと。

オースティン一の目抜き通り「South Congress Street」で。「Selfedge」オーナーのKiyaと。

今回ここに来た理由は以前から私がデザインするアイウェアを紹介してくれている店「Selfedge」が新店舗を出すということで、その視察と私の新作の説明を兼ねた訪問です。「Selfedge」は高品質でこだわりの強いデニムを中心とした洋服の店でロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨーク、ポートランド、メキシコにも店舗があります。オーナーのKiya氏は最初「グローブスペックス」に自分のアイウェアを買いに来られ、そこから今の関係へと発展していきました。

2週間後のオープンを控えた完成間近の「Selfedge」 オースティン店。カスタマイズされた巨大なホーンスピーカーやビンテージの什器の数々などKiyaの最新のこだわりが詰まったお店。完成が楽しみです!

Kiya氏にオースティンを案内してもらいました。オースティンは周辺を豊かな自然に囲まれている街でもあるそうですが、今回は1日半の滞在だったので街中を見て回りました。テキサスといえばカウボーイのスタイル、バーベキュー、ウェスタンミュージックのイメージがありますが、オースティンはテキサスの中でも洗練されたイメージが強く、新しい文化に対しても好奇心が強く寛容なようです。

「South Congress Avenue」のウェスタンブーツ専門店やカウボーイハットのお店。

例えば、ウェスタンブーツの店でもテキサスの他の地域では昔ながらの伝統的なブーツやカウボーハットが多いようですが、オースティンではウェスタンブーツをかなりカスタマイズしてファッション化した面白い店がありました。ウェスタンブーツにはあまり興味が無かったのですが、ここのブーツにはいくつも欲しいものがありました!

South Congress Avenueのオシャレなウェスタンブーツ店。ここにはいくつか欲しくなったデザインがありました。

South Congress Avenue という通りが最も賑わいのある大通りなのですが、道幅が広くて建物は低めなので歩いているとロサンゼルスの街並みに少し似ています。ちょうど「SXSW(South by Southwest)」という世界最大のフェスティバルがオースティンで開催された週だったので、街のあちこちで音楽のイベントを行っていて、イベントで張り紙をされないように街中の信号機の柱などがビニールで覆ってありました。

全米最大のフェスティバルである「SXSW」開催の際に街中の信号機支柱を張り紙やポスターから守るためにビニールのシートが巻き付けられています。

そして、テキサス名物のBBQに連れて行ってもらいました。テキサスはBBQが有名なのですが、オースティンのスタイルはドライ&スパイシーだそうです。地域ごとにBBQのスタイルが異なります。ダイナミックで美味しかったです!

たった1日半のオースティン滞在だったのでまだ知らないことがたくさんありそうですが、今急速に発展を遂げて全米の注目が集まっているのは確かです。そして既に素敵なレストランやショップがいくつもありましたが、まだまだ発展途上な印象でまた今後が楽しみです。「SXSW」のようなカルチャーの巨大イベントが開催されていることにもオースティンのポテンシャルを感じます。

テキサスの後はNYへ。NYでは展示会を含め4日半市内で、その後マンハッタン郊外のアップステートに移動する計画です。

コロナ収束直後の2年前はまだ街中に緊張感があり、ニュースでも暴力的な犯罪の報道が多かったですが、今は世界中から観光客も戻ってコロナ前の空気になりつつあります。ただ昨年から傾向を見ていて面白く思ったのは、East VillageSOHOからBroadwayを挟んで更に東寄りのエリア)からもう少し南のLower East、そして更に南のチャイナタウンくらいまで面白い店が移ってきていることです。どちらかというとファッションでは無い、クリーニング屋、食料品店、飲食店、金物屋など中国人経営の漢字看板の店の方が多い地域に今時代を牽引している「BODE」の店があることに驚きつつ非常に面白さを感じましたが、そのエリアを見て回るといくつも最先端のお店ができていて、漢字看板の店の合間にそのような店が点在しています。

 

「BODE」の近隣はこのように漢字の看板が多い。

またストレートにファッション性を強調しておらず、それどころか前の閉店した店の看板やウィンドウをそのまま使っている店もいくつかあったので、知らないと通り過ぎてしまいそうです。「BODE」も今回のウィンドウはただ散らかした物置きのようなウィンドウディスプレイ。周りの雑多な感じに溶け込んで、店を目立たせるどころか分かりにくくさえしています。

「BODE」のウィンドウディスプレイ。ただガラクタやゴミを入れている様にも見えてしまう凄さ!

またこのエリアでは「BODE」以外の店でも外観は年季が入って寂れた様子のファサードで、中に入ると全く別世界のオシャレな店舗が点在しています。知らないと通り過ぎてしまいそうな店が多いです。以前、面白い店が多くあったSOHOはビッグブランドが多くなって家賃が上がり、東に移動してEast Villageが賑わってから今度は南下してきているようです。その中に面白いお店や施設がいくつもあり、今マンハッタンを歩いていて一番面白いエリアです。

外観は前の古臭い店のファサードをそのままにしており、ウィンドウのカッティグシートのブランド群も前の店のまま。中に入ると全く別世界が広がっています。

この店も外は古臭い感じでSPORTSWEARと書かれていますが、中は非常にオシャレな女性のファッションのお店。

その他、このエリアで面白かった施設を紹介します。

まずは「Metrograph」。いわゆるミニシアターですが、この中の施設全体、非常にこだわりがあってオシャレです。会員制になっていて、その特典も様々あるようですが、会員でなくても入れます。シアター以外には、バー、レストラン、映画関連の書籍を販売するコーナーもあります。建物はインテリアが非常におしゃれで、映画を見に行くのではなくても立ち寄って本を見たり、食事をする人も多いそうです。私たちの盟友でここを教えてくれたSelimaと一緒にランチをしました。

続いて紹介するのは「ESSEX MARKET」。世界中の食材や惣菜、調味料を扱う大きなマーケット施設です。料理好きが手に入りにくいスパイスを買ったり、なかなか食べられない国の料理を楽しんだり、グルメの方のこだわりを満たしたり、シンプルにとにかく美味しいものがあったり、いろんな楽しみ方ができる施設です。その場で買ったものを楽しめるイートインのスペースも完備。チップも派生しないので手軽に美味しいものを楽しむには最高の場所です。

NYのアイウェアデザイナーで親友のSelimaとあちこち歩き回っているとグラフィティだらけの路地裏に行きつき、B Boyたちがムービー撮影していたり、プエルトリコのドラッグクィーン歌手がいたりとNYならではの光景がありました。

 

 

NY最後の2日間は、地元でファッションアクセサリーのブランドを手掛ける「8.6.4」のタツさん、エナさんご夫妻とアップステートに行きました。アップステートはマンハッタンから車か電車で北方向に1~2時間ほど行ったエリアで、マンハッタンまで通勤している方も多く、更に奥のエリアではより自然が広がる中で週末を過ごす方のウィークエンドハウスが点在していたり、マンハッタンの洗練されたスタイルを持ちながら移住してきたひたちもいる地域です。そんなエリアなのでビンテージやアンティークの家具、装飾品などを探すにはうってつけなのです。マンハッタンに比べると安く、しかもセレクトは洗練されているから。今回も店で使うために探そうとしていたお目当てのものが見つかり、夜も郊外の洗練されたレストランで「8.6.4」のご夫妻とご一緒にディナーを楽しみました!

NY最終日は夜遅い便で帰国予定でした。少し余裕があるのでJFKの空港に向かう途中にある面白い場所に寄って帰ることにしました。

1つ目はアップステートから少し南下したところある美術館「Dia Beacon」。もともと「ナビスコ」の広大なビスケット工場の跡地を活かして作られた施設で、一つ一つの間の広さと天井の高さを生かして巨大なアート作品も展示できる郊外ならではの施設なのです。マンハッタンにも数々の有名な美術館がありますが、「Dia Beacon」はここでしか展示できないアート作品が見られるので人気があります。今回も迫力がありました!

最後に立ち寄ったのは「Dia Beacon」から東に向かったコネチカット州の港町。ここには「Alden」が特別に安い価格で購入できる店があります。サイズがうまく合えばの話なのですが。今回はありました!コードバンのミリタリーラストのブーツです。非常に気に入った一足が見つかり、今回のアメリカ出張の良い土産になりました!

もちろん本業であるメガネの成果はたくさんあるのですが、それは入荷したらお知らせします。今回はあえてメガネ以外の収穫や発見のご報告でした!

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