2020年に「グローブスペックス京都店」をオープンしました。その年の3月くらいから世界的に新型コロナが蔓延したため、京都名物の祇園祭も中止されました。
今年は2019年以来3年ぶりに開催されることになったため、毎月1度の週末を京都店に立つことを今月は祇園祭に合わせました。京都店を開店したばかりの頃から、「祇園祭は京都に欠かせないもの」「京都のスピリットとも言えるもの」と度々地元の方々から聞いていたので非常に楽しみにしていました。
7月17日朝の山鉾巡業が祇園祭のクライマックスになるので、店に立つ前の午前中に見に行こうと決めていましたが、その前の数日の間はどのようなものなのかあまりイメージが湧かないまま7月14日の夜に京都入りしました。
翌日は「グローブスペックス京都店」に立って仕事をしていました。その際に以前東京でもファッションのイベントで良くお会いしていて、「グローブスペックス」の様々なイベントにも来て頂いた河合正人さんが店を訪れ、「祇園祭の様子を一緒に見に行きませんか?」と誘ってくれました。河合さんの名前に覚えがある方も多いと思いますが、話題になった名著「JAPANESE DANDY」の著者です! 昨年から京都に戻って住んでおられます。
東京で南青山とか神宮前といった町名はかなり広いエリアに対してつけられていますが、京都の町の一つひとつは小さく京都の人でも覚えられないくらいたくさんあります。そのためここでは通りの名前を言った方が分かりやすいそうです。
河合さんに案内されて京都の中心地を歩いて行くと、四条通りの様な広い道には大きな「山鉾」がいくつか聳え立っておりかなりの迫力です。大きいものは重さが12トン、高さが25メートルもあるそうです。
裏通りに入って行くと、また町ごとに「山鉾」があり誇らしげに飾られています。これだけ大きく迫力ある「山鉾」たちはすべて釘を1本も使わずに木を縄で締め上げて組んでいるそうです。
それぞれの山鉾の周りにはかなり装飾的な縣装品の絨毯がかけられていますが、この様な絨毯はヨーロッパでも「幻!」と言われるほど希少なものも多くあり、祇園祭を「動く美術館」とも言うそうです。こう言うことを知って山鉾を見るとまた更に興味が湧いてきます!
でも今回祇園祭で一番魅せられたのは、各町でかなり前から祭りの準備をし昔から脈々と受け継がれてきた仕来りや各町の宝物とも言える縣装品を守り、7月の頭から徐々に盛り上がりを見せる祇園祭に非常に多くの準備と時間を掛けて臨んでいる各町の男衆達でした。特に今年は3年ぶりということもあってのことか、世界に誇れるこのお祭りを実際に形にして動かしている男衆達は、皆日焼けして一癖も二癖もある顔付きで、待ちに待った祇園祭が実現できて目がキラキラと言うよりはギラギラしていて、実に皆んな生き生きとしていて格好良かったです!
他所から京都に嫁いできた女性が結婚する前のご主人に「趣味は?」と尋ねたら「祇園祭!」と答えるのを、祇園祭を紹介していたテレビで見ましたが毎年行われる祇園祭に人生のかなり大きな部分をかけて守り、進化させ続けてきている男衆達はなんとも魅力的でした! およそ1,100年前の平安時代に疫病の流行を鎮めるために始まった祇園祭は長い年月の中、この様な粋な人たちによって発展してきたのですね。
新たな京都の魅力を知り、さらに京都を好きになった滞在でした。