2020年から始まったコロナのパンデミック以降、全く海外に出られない状況でしたが、現在3回のワクチン接種をしていれば隔離期間免除であることを知りました。NYの感染状況も落ち着いていたので急遽、この場所で行われる眼鏡の国際展示会「VISION EXPO」を目指して渡米しました。
結論から言うと非常にNYに来てよかったです!
「グローブスペックス」は世界中のメガネを紹介しており、世界の仲間との関係性が不可欠であることと、商品のみならず店作りにおいても世界から取り寄せたアンティーク家具や装飾品を使っているので、毎年数十日を過ごしていた海外はインスピレーションやアイデアの引き出しを増やすのに必要不可欠なんです。
でも慣れとは恐ろしいもので日本から出ず、ほとんど日本語しか喋らないことが普通になると、逆にコロナ禍の前の日々が遠い過去の非現実的なことの様に感じ始めていました。
久しぶりにNYに来てみると一見、以前と変わりない様に思えましたが、この2年少々の期間にかなりの変化があった様です。日本でもコロナ前は無かった様な事件がいろいろありましたが、NYに来る前から治安が悪くなっていることを聞かされていました。私が住んでいた80年代のような緊迫感は感じなかったですが、地元のニュースを見ていると毎日ヘイトクライムや暴力的な事件を報道しています。
面白い店が点在していたSOHOは高級ブランドばかりになり、かなり変化が起きていました。
一方、人に関しては、今回アメリカ人もヨーロッパの人たちも普段自分たちがいる場所からNYに来て、ずっと会えなかった仲間に会い、居場所を変えてこそ得られるインプットを求めて皆NYに集まっていました。
ヨーロッパから来た人たち、西海岸から来た人たち、NYをベースにしている人たち、皆一様にお互いの無事を確認し、再会を喜んでいました! やはり親しくしていた仲間たちの無事と元気そうな姿はホッとします!
ただもう一方ではさまざまな変化も感じ、この2年と少しの期間が及ぼした影響もたくさん感じました。コロナ禍で亡くなられた方もいます。
まだコロナ禍は続いているので、今後分からないこともたくさんあるのですが、今のところ感じていることとして世界は強制的に再起動され、今まで善し悪しをちゃんと考えた上で行えていなかったことは、コロナ禍において本当に必要なことと不必要なことを見直すことになり、行動、人間関係、日々の過ごし方、働き方など全部を再考するきっかけになっているのは世界中で同じだなぁ、と感じました。
もう一つ強く感じたのは自分の周りの人間関係があまりビジネス要素が強すぎるものではなく、非常にお互いのリスペクトや信頼に基づいている、と言うことです。ここ暫く、毎週何通も投資ファンドや大手の会社から買収・吸収の手紙が届きます。海外の仲間たちにもたくさん買収の話しが来る様で、実際に資金を求めて吸収されたブランドも幾つかありました。
個人的な感覚として本当に感動や気持ちの高揚があるファッションには、売り上げや利益の手段としてビジネスを考えることとはかなりギャップを感じます。数年前にセリマと確認しあったこととして、どんなことがあっても会社を売るより「freedom(自分の責任で自由な判断をもって仕事すること)」を大切にし合おうね!! というのがあります。
価値観は人それぞれであり、お金や資産を仕事のゴールにすることも一つの考え方だと思います。ただ自分と今回世界中から集まった仲間たちが重視していることは「freedom」を自分の責任で選択しながら、本当に大切に思えること、価値を感じることを大事にして、リスペクトし合える仲間同士で議論したり支え合ったりしながら、最終的にはメガネのファンになってくれた人たちをもっともっと喜んでもらえるようにし続けることなんです!
今回一番収穫だったのは、それを多くの仲間たちと共有できたことでした。
短い出張だったのでモノはそんなにたくさんのバリエーションはありませんが、その代わりにかなり濃い内容の提案を用意しましたので(掲載している写真たちよりも遥かに多く!)ご期待ください!順次インスタやこのブログでも紹介して行きます。
また状況を見ながら徐々に海外に出向きたいと思います。