BLOG - 岡田哲哉(グローブスペックス 代表)

「世界はほしいモノにあふれてる」behind stories

先週お知らせしました通り、明日(9月3日)22時30分から私も出演した「世界はほしいモノにあふれてる」の2年半の総集編として「世界はほしいモノにあふれてる せかほし感謝祭SP(仮)」が放送されます。(9月8日深夜にも予定されていましたが、三浦春馬さんが出演した最終回を再放送することになったそうです)

この「世界はほしいモノにあふれてる」のフランス収録は私にとっても非常に印象深いものでした。約10日間、フランスで行った番組収録で、毎日服装とメガネを替えて臨み、メガネを絡めたファッションの楽しさが伝わるようにしました。この「せかほし総集編」放送に合わせて、今回のブログでは収録時の様子をまとめて紹介します。番組では紹介しきれなかったオフショットシーンまで含まれています。

10日間の収録の様子をノーカットでご紹介しますので、今回のブログはいつも以上にちょっと長いです(笑)。

まずはフランス・ジュラ地方の山奥でヴィンテージのメガネを掘り起こしに行くシーンです。リヨンの空港に着いてすぐ収録が始まりました。そこから車でジュラの山奥まで入り、皆で初日のディナーです。

2日目はお宝のヴィンテージを蔵から掘り起こしに行くシーンです。美しいフランス山奥の風景も見物です。

ジュラ地方3日目はコレクターのご自宅に行ってラインストーンがあしらわれた仮面のような作品の数々も買い付けました。

展示会より2日早くパリ入りした初日、最初は「Ahlem」と古いカフェで待ち合わせし、京都店オープンを記念する特別モデルのデザインの打ち合わせ。この様子は「せかほし」の番組内でも紹介されています。このカフェは100年ほどの歴史があり、パリ市からも歴史的建造物として保存指定されている名店です。「Ahlem」とはとても信頼し合っている仲なので、纏めることが難しそうなデザインミーティングも何ら不安も無く楽しく収録できました!

この京都店オープンを記念した特別モデル「KYOTO」は新型コロナの影響で製造が遅れ、もうすぐ販売が開始となります。興味ある方は店頭スタッフまでお問い合わせください!

「Ahlem」との記念モデルの打ち合わせの後はよく訪ねているお店の定点観測。まず併設されるカフェで軽く昼食を食べつつ、いつも商品の並びからパリのトレンドを探ることにしているセレクトショップ「Merci」へ。ライブラリのようなカフェも雰囲気が良くヘルシーなメニューです。更にマレの小道を散策しながらよく立ち寄るアンティークショップへ。厳選されたヴィンテージが魅力的なお店です。これらのシーンはテレビでは収録されていないオフショットです!

パリに来ると毎年必ず寄っているマレのカフェ。パリを訪ねる一番の楽しみはここのタルトタタンとも言えます。絶品です!

タルトタタンを満喫した後は古いアーケードにある眼鏡店「Pour Vos Beaux Yeux」へ。ヴィンテージの眼鏡を多く扱うとってもオシャレな眼鏡店。什器もすべてヴィンテージで構成し、ファサードのサインアートもパリの腕利きのアーティストによるもの。ニースにも店を構える「Charles」とは仲良くしており、パリを訪ねると立ち寄っていろいろと情報交換しています。

夜はNYのメガネデザイナーであるセリマが、私の誕生日パーティーを開いてくれるとのことで彼女の友達のアパートへ。セリマはもう20年以上の付き合いになる親友で、私が「グローブスペックス」を立ち上げたばかりでお金が無い頃は毎回、セリマ宅に居候させてもらっていました。アパートといってもマレの中心にあるとても高級な邸宅です。

気になる誕生日のプレゼントは…?

セリマが知り合いの人形作家に、私との写真を送ってつくってくれた似顔絵ならぬ似顔人形でした! ありがとう、セリマ! 2人の人形ともよく似ていて大変パーティーも盛り上がりました。この様子は「せかほし」の番組内で紹介されています。

パリでのスケジュール2日目は「Anne et Valentin」のブランドミーティングからスタート。「SILMO」展で発表される新作のディテールやコンセプト説明が、世界各国の代理店や営業に対してなされ、また各国の状況やノウハウなどの共有なども行われます。毎回新鮮な驚きがあるミーティングなので出席が楽しみなんです!

その後は、眼鏡業界における私の父のような存在、Gernot Lindner氏とのミーティングです。京都店オープン記念モデルである「KYOTO I, II」の打ち合わせです。このシーンは番組では放送されていません。京都店限定モデルの艶消し「KYOTO I, II」はオープン後、間もなく完売しましたが、写真にある艶ありのタイプやゴールドコートは通常モデルとして各「グローブスペックス」店舗と全国の取扱店でも紹介していますので、ぜひご覧になってみて下さい! 写真で私が掛けているのは「KYOTO I」です。

Gernot Lindner氏とのミーティングの後は、「Ahlem」のミーティングです。各国代理店や営業担当者に新作のお披露目と商品説明などがありますが、日頃なかなか顔を合わせることが難しい全世界の「Ahlem」関係者がファミリーとして親交を図るごはん会というのが本当の目的です! 新作では少し近未来的な一文字のブリッジの「Place des Pyrenees」と「Tokyo」がとても印象的でした。

ニューヨークのブランド「ROBERT MARC NYC」の展示会とミーティングはパリを代表するホテルの一つである「Ritz Paris」で行われました。歴史ある格式高いホテルですが、スウィートに入ったのは初めてでした。Selimaも私の還暦を祝う誕生日パーティーを行ってくれましたが、「Robert Marc」社もバースデイディナーを私がパリで一番好きなレストランで行ってくれました! ウチのスタッフ一同からは「コム デ ギャルソン」の赤いウォレットをもらいました。赤いちゃんちゃんこでなくてホッとしました(笑)。

いよいよ出張のメインの目的である「SILMO」展での買い付けの様子です。毎年、秋に行われる世界最大級の眼鏡の展示会で、多くのデザイナーはこの「SILMO」と、春に行われるミラノとNYの展示会に合わせて新作を準備します。年2回の大きな新作発表の場なので、デザイナー側も我々バイヤー側もここでお互いに会い、意見や情報交換したり、買い付けだけで無くコミュニケーションを取る場としても重要な機会なんです。

「せかほし」の番組内で放送された買い付け場面と、「せかほし」撮影クルーと別行動していた時間帯もあるので放送されていないオフショットの場面もいろいろ含まれています。ドイツの「Haffmans & Neumeister」とデザイナーのPhillip、フランスの「TARIAN」とデザイナーのJeremy、フランスの「Xavier Derome」とデザイナーのXavierとの買い付けの様子です。通常商談は営業担当のセールスと行うのが通例ですが、できるだけデザインのポイントやこだわりをしっかり理解したいので、私はデザイナーと話しながら買い付ることが多いです。

ネックレス型メガネホルダーを発明したブランド「LaLOOP」は「グローブスペックス」が代理店を務めるブランドなので、デザイン全体の詳細な説明を受け、また日本市場だけの特別モデルの開発なども話し合います。グラスコード・チェーンのブランド「Diane Taylor」の新作でかなり存在感の在るチェーンはネックレスのように前に垂らしてもステキな新しいアイデアでした!

展示会初日の後はディナー前に街に繰り出して、20年来訪れている雑貨屋さんで知人たちへのお土産を買ったり、パリらしさを味わえる「Palais Royal」やその近隣の店などを散策して気分転換です。

「SILMO」展での買い付け2日目の様子です。宿泊したのはパリ市内のマレ地区ですが、「SILMO」展示会場がある「Nord Villepinte」はCDG空港近くの郊外にあるので、毎朝電車に揺られて移動します(冒頭の自撮り写真は電車内です)。「VAVA Eyewear」のPedro、ベルギー「Michel Henau」のMarleenとの商談風景です。「VAVA Eyewear」は近未来的なデザインで、「Michel Henau」はデザイナーのマークがアーティストなので、グラフィカルでアート的なデザインが多いです。

ロサンゼルスの「Garrett Leight Optical Calfornia」のGarrett Leightと、イスラエルの「Jean Philippe Joly」のJean Philippeとの商談風景です。自らもサーファーでありLAのレイドバックなスタイルを地で行くGarrettのデザインはとってもLAらしさに溢れています。セールスディレクターのCharlesは長年の友人であり、やはり私の還暦節目の誕生日を年代物のワインをプレゼントして祝ってくれました! もともとフランス人であるJean Philippeはとにかく明るく、ポジティブで、エネルギーに溢れる人ですが、デザインはフランス人らしくシックな要素を併せ持っています。

「SILMO」展2日目が終わった後はマレ地区に戻り、そこにある「Anne et Valentin」の店舗でパーティーです。毎年開かれているパーティーですが、世界各国の取扱店のオーナーたちや代理店のセールスレプが一堂に集まって親交を深めたり、またみんなで異文化を楽しんだりする場になっています。早く新型コロナが収束して、この様なパーティーを楽しめる世界が戻ってきてほしいです!

滞在中最後の日曜はまた街中での活動です。「グローブスペックス京都店」のオープン準備のために、店内で使うクラブソファ(一人掛けのソファ)をクリニャンクールの蚤の市に探しに行きました。この買い付けシーンは「せかほし」の番組内でも紹介されています。出店した「新風館」が1920年代の建物なので、それに合わせて同年代のクラブソファを探そうと考えていましたが、実物を見ると50年代のベルギー製の方が大きすぎず、コンディションも良かったので決めました。実はかなりハードに値引き交渉していたのですが、幸い番組では上手く編集されてソフトな交渉に映っていました(笑)。

クリニャンクールの後は、私の還暦パーティーを開いてくれた、親友セリマのパリのお店で京都店用の商品買い付けです。彼女の本拠地はNYですが、パリの眼鏡学校を卒業してしばらくパリのブランドにも籍を置いていた過去があります。パリの店は幼なじみとの共同経営です。ここで買い付けた魅力的なモデルたちは既に京都店に並んでいます!

総集編の放送内容は2年半くらいの間に放送された、さまざまなジャンルの内容が放送され、私が出演した眼鏡の回もダイジェストとして短い放送になるかと思います。ただ番組を見て下さったお客様の声を聞くと、録画して何回も見られる方が多かったので、このブログではノーカットで舞台裏まで含めてご紹介することにしました。

最終日、日本に向かう搭乗便に乗るギリギリ前まで「Silmo」の展示会場にいましたが、そこで10日間を共にした「NHK」のクルーとのお別れになりました!実はこのチーム全員が番組作成を通じて大変仲良くなり、そのチームワークの良さもあってとても面白い番組に仕上がったんです!

番組収録が始まる4ヵ月くらい前に番組出演のお話しをいただき、そこから全体の構想を考えながら、私自身この収録の個人的な目標として「あまり眼鏡を知らない方々や、関心を持っていない方々が番組を見たあとに『あ、眼鏡って面白いかも!』『眼鏡って結構楽しい!』と思っていただけるように仕上げることでした。撮影クルーにもそのことを明かしてみんなに協力してもらいました。そんな番組に仕上がったと思いませんか!?

新型コロナの影響で海外ロケが難しい状況が続き、さらに三浦春馬さんのこともあり、いろいろな課題もあるかと思いますが、番組の一ファンとしても「せかほし」はぜひ継続してほしいと願っています。

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