6月11日にオープンした「グローブスペックス京都店」。早くも約1ヵ月半が経ちました。
先週の4連休は混雑が予想されたため、応援も兼ねて店頭に立ちました。気になる様子はどうだったのか?
京都は前からとても好きな街で、ずっといつか「ここに店を構えたい」と思っていたもののエリアや物件選びが難しいな…と思っていたので、この「新風館」からの出店要請はとても嬉しくありがたいチャンスでした。ただそれでも、いろいろなメディアで紹介されてはいるものの、「グローブスペックス」の関西での知名度が分かりませんでした。加えて、他のファッションの店も京都進出は最初かなり苦戦した、と言う話も聞いていたのでしばらくは大変かもしれないと考えながらの出店でした。それでも決意したのは、東京の渋谷と代官山の店舗には少なからず関西やそれ以上に遠い地域から来られるお客様がいたからです。
出店を決めたのは2018年の終わり頃でしたが、その後にNHKから『世界はほしいモノにあふれてる』への出演オファーがありました。皆さんもご存じの通りいろんなジャンルのバイヤーが、海外でどの様な活動を経て日本のユーザーに素晴らしい商品を届けているか、というバイヤーの活動を紹介している人気番組です。ちょうど秋口にパリの「SILMO」展に行く予定だったことと、京都店のオープン準備のためにアイウェアだけでなく、什器としてアンティーク家具を見つけたり、山奥まで入っていってビンテージ眼鏡を掘り起こしに行く計画もあったので、京都店オープンをメインにしたフランス出張を番組化することになりました。
11月にスタジオでJUJUさん、三浦春馬さんとの収録を終え、1月に初回の放送がありました。その後、3月に再放送もあり、当初の4月オープンは絶好のタイミングだと思っていましたが、新型コロナの影響で2回の延期後、6月11日にようやくオープンとなりました。再放送から3ヵ月経過していたので番組効果は薄れてしまうと思っていましたが、6月はオープンからの3週間、連日店頭に長い行列ができ、「新風館」が規制するほどの盛況ぶりでした。
その後、6月下旬に再度放送があり、それが更なるお客様への認知となって「グローブスペックス京都店」は順調なスタートを切ることができました。6月末に京都店を見に来てくれた「Old Joe」デザイナーの髙木さんと小松の名店「PHAETON」のオーナーである坂矢さんが「眼鏡店の店頭に人気ラーメン店の様な行列ができているのを初めて見た!」と興奮混じりに驚いていたほどです。
行列ができたもう一つの理由は、「グローブスペックス京都店」が3密を避けるために入店を5組のお客様までと限定していたこともあります。この様な時期なので、すべての「グローブスペックス」の店舗で同じ入店制限とともに、アルコール消毒と入店時に使い捨てのビニール手袋の着用をお願いしています。
そして先週の4連休を迎えました。その直前まで少し平日は行列が短くなり落ち着き始めた、とスタッフから報告を受けていましたが、やはり連休中はかなり長い行列が連日できていました。私も昼くらいに店に入ると、あとはノンストップでお客様に対応し、閉店時間までずっとそれが続く状況でした。ちょうど政府が「GO TOキャンペーン」を行っていることもあり、京都には他県からの来訪も多かったようです。面白かったのは何人か東京から来られているお客様にお買い物をしていただいたことです。大勢のお客様に似合うメガネをお見立てしたり、度数チェックを行ったり、一緒に写真を撮ったり大忙しだったので、その様子というのは画像に残すことはできなかったのですが、下の画像は開店一番にちょうどこれから私が店に入るタイミングの様子です。開店直後から毎日入店をお待ち頂くお客様の行列が始まり、本当にありがたい限りです。
今回は連休の混雑が予想されたので、「新風館」の「ACE HOTEL」さんにもご協力頂き、ホテル内の「Stumptown Coffee」で使えるドリンクの割引券を発行してもらいました。そのため、お客様にはコーヒーを飲みながら入店の順番を待って頂くことができました。
今後は行列も落ち着いてくるかと思いますので、皆さんもどうぞ「グローブスペックス京都店」に寄ってみて下さい!
インスタでも紹介しましたが、「グローブスペックス京都店」のディテールの面白さを紹介しておきます。
「あれは何ですか?」とよく受ける質問で、カウンターテーブル後ろの家具の上に置いてある機械を尋ねられます。存在感が大きいからでしょう。これはオーディオアンプです。1930年代から40年代に、米軍が屋外で慰労として映画の上映や音楽を流すために使っていた真空管アンプです。戦地など屋外で使うために作られたものなので非常にタフでパワフル。良い音鳴らします。とても珍しいアンプですが、京都店の雰囲気作りに大きく貢献してくれています。
京都店は「新風館」の建物に合わせて、すべてアンティークの家具で構成していますが、装飾品もそうなのです。これらは1930年代くらいのドイツの名門光学機器メーカーである「カールツァイス」社の顕微鏡、最も古い一番初期のレンズメーター(レンズの度数測定器械)、1920年代くらいの検眼レンズセットなどを店内のあちこちに配置しています。メガネを見ながら「メガネ博物館」気分も味わって戴けます。
両出入り口の間には面白い装飾を施してあります。額に入った古風なメガネ類は19世紀中盤から20世紀前半の鼻眼鏡であるフィンチや手持ち眼鏡のローネットなどを標本のようにして展示しています。ヨーロッパで使われていたものです。まわりにある小さな額装は中世から続く、さまざまな職種におけるドイツのマイスターの様子を描いている興味深いイラストです。額装の下にある照明つきの文字が書いてあるものはデンマークの検眼視力表です。
今回も毎日ファッションとメガネの組み合わせを変えて、自分自身でもコーディネート提案をしていました。
最後に一つ気になっていたことが。先日「PHAETON」で行ったイベント時にも接客していて同じことを感じたのですが、合っていない度数でメガネを掛けている方々がたくさんいます。さらに、メガネをしておらず普段裸眼で過ごしている方のなかにもちゃんと見えてない人たちがいました。
普段、東京の店でもメガネを買いに来た方のお連れ様、編集者やライターの方の度数を見てみると、ちゃんと見えていない人たちが結構おられるのです。
視力のチェックは無料で行いますので、皆さんもいつでも確認にお越し下さい!