連続デザイナー来日イベントやります！（その2）

以前のブログでLesca LunetierとAhlemのイベント情報をお知らせしたので、実際は「その3」ですね！毎年恒例となっているミュールバウアーのトランクショーを行います。

前回のブログも何故メガネ店でシャンプー・トリートメントを販売？と思われたかも知れませんが、帽子に関しては割とずっと取り扱っています。一番最初、メガネのデザイナーであるNYのセリマが帽子を扱い始めたことがきっかけでした。アイウェアという顔周りのファッションアイテム同士としては、フェイスアクセサリー、ヘッドアクセサリーという近しい共通項でご提案してきました。

ミュールバウアーは、今ではマドンナやブラッド・ピットなども愛用し、日本でも著名なアーティストやデザイナーが何人も被っている帽子ブランドです。実は日本では「グローブスペックス」が一番最初にご紹介したんです。ミュールバウアーはウィーンの老舗帽子ブランドですが、4代目のクラウスがブランドを受け継いでからとてもモダンでファッショナブルなブランドへと生まれ変わりました。

デザイナーのクラウス氏。

毎年、帽子の常識を覆すようなイノベーションを続けてきましたが、クラウスがチーフデザイナー兼オーナーに就任して1年目くらいだった2003年、日本でとあるファッション業界のバイヤーからヨーロッパでのクラウスの評判を聞き、伝手も何も無かった私はいきなりウイーンにあるクラウスのオフィスのドアをノックして訪問しました。でもすぐに意気投合して仲良くなり、「グローブスペックス」では毎年、春と秋にそれぞれ2日ずつ、年2回完全にミュールバウアーの帽子店になります。

帽子店やセレクトショップで帽子を選ぼうとすると、サイズが男性用では平均58～59cmくらい、女性用では56～57cmくらいで店に並んでいることが多いのですが、実際は54cmくらいの人もいれば63cmくらいが必要な方もいます。ミュールバウアーのトランクショーでは頭の大きさを計測してピッタリに作ってくれますのでサイズの心配はありません。

帽子の色、素材、そして装飾のリボンの色など、細かく選べるので、全く妥協なく自分好みの帽子を選んで作れるのです！帽子に関心はあるけれど持ったことがない、と言う方でも大丈夫です。「グローブスペックス」のメガネのトランクショー同様、この帽子イベントでもデザイナーのクラウス自身がイベントに来るので、見立ててもらうこともできるからです。こんなイベントなので毎回2～3個、シーズンの帽子をまとめ買いする方も多くいらっしゃいます。オーダー制なので少し時間をおいてから帽子が届きます。

この秋冬のテーマは「BERG」。ドイツ語で山という意味です。ウィーンはそこから西南に向かってスイスやイタリアの方まで延びるアルプスのスタート地点ですが、オーストリアは冬季オリンピックが行われたインスブルックもあるチロル地方も有する国で、寒い雪山で頭部を温めて守るためのチロリアンハットはオーストラリアの国を代表するような帽子です。今回クラウスは、山で被られてきた帽子、山にまつわる帽子をベースに、新しくモダンな再解釈を行ってむしろアーバン（都会的）なデザインへと変貌させてコレクションにしています。

毛足の長いフェルトの暖かい帽子などその典型ですが、モノトーンに頼りがちな冬に敢えて色を使ったカラーリングがとても魅力的です。今年初めのパリファッションウィーク中に見た時には、この辺りの新しい解釈を加えたチロリアンハットに注目が集まっていて、とても良いと思いました。