私はディストリクト ユナイテッドアローズのお店がとても好きです。それはセレクトショップを初めて体験した10代の頃に感じた感動や楽しみを、その頃と同じように感じさせてくれる、ワクワクするお店だからです。
小学校時代をアメリカで過ごした後、日本に戻り、父親の社宅があった青山で最初VANジャケットによってアメリカンファッションの洗礼を受けました。そして、その後にアルファキュービックなどによってサンローランなどヨーロッパのファッションに強く影響されました(当時、到底買うことはできませんでしたが)。参考:https://b.houyhnhnm.jp/okada_tetsuya/2019/08/15/2546/
原宿も渋谷も歩いて行ける距離だったので、当時は何か新しい店ができるとすぐにチェックしました。高校時代の半ば、ハリウッドランチマーケットの元となる店が千駄ヶ谷に現れたり、SHIPSの前身であるMiura & Sonsなど勢いのある店がどんどんできていましたが、群を抜いて面白かったのが原宿に出来たBEAMSの1号店でした。
その店にはUNITED ARROWSの創業者である重松さん、ディストリクトのディレクターである栗野さんを始め、今も第一線で活躍している方々などファッション業界のオールスターの様なメンバーが揃っていて、まさに現在の業界の源流のようでした。
NIKE(まだみんな読み方が分からず「ニケ」と言っていた頃)やCOLE HAAN など日本で初めて紹介した店で、その当時はBEAMSに行くといつも新しい発見があり、ワクワクして通っていました。当時の遊び仲間がそのスタッフだったこともありました。
ディストリクトは今の時代にあって自分にとってはそんな存在のお店なんです。mandoや HANDROOMなど、愛用している幾つものブランドを初めて知りましたし、時折新しく導入されるブランドも自分にヒットする場合が多く、BEAMSの1号店が10代の頃ワクワクするモノが詰まっている宝箱のような存在だったように、ディストリクトは今の私にとってファッションの宝箱のようにワクワクするお店です。
そのセレクトやディレクションに当時も今も栗野さんが深く関わっていることを考えると、自分が強く関心を持つ商品の多くは、昔も今も栗野さんから教わってきたのかも知れません。
そしてディストリクトが楽しい店であるもう一つの大きな理由はスタッフの皆さんがとても服好きで、ファッション好きで、仕事であることを超えていつも楽しそうに接客や提案をしてくれていることも非常に大きいと思います。
ディストリクトで買い物をする楽しみの一つにこの店だけの別注品があります。コノリー(下の写真)のダッフルバッグはもう10年以上前にディストリクトで買ったものです。
開閉のジップは上から開けなくても財布などを簡単に取り出せるようにユニオンワークスの中川さんに改造してもらいました。容量もたくさんあるこの個性的なダッフルバッグが非常に好きで、ロンドンに行った際にもっとバリエーションがあるのかとコノリーのショップを訪ねたのですが、そこにはGBやCONNOLLYの表示があるバージョンはありませんでした。ディストリクトの別注だったのですね。同型のバッグは置いてありましたがこれらの文字表示が無いと上品だけれど味気ない感じでした。ディストリクトの一捻りが入って良い塩梅になっていたのですね。
栗野さんが長く愛用されている英国ブランドのコートをベースに、Scyeがリメイクしたステンカラーも気に入っていて愛用しています。
今年の春、Scyeとコラボレーションしたサングラスコレクション、Scye SPECSを完成させました。
Scyeの直営ショップであるScye Mercantileとグローブスペックスの店舗で扱うことは決めていましたが、Scyeの宮原さんと日高さん、そして私も、お互いにとても仲良くしているディストリクトにはぜひ扱って欲しいと願い、幸い気に入ってもらえたので今もお店でご紹介頂いています。自分がとても好きなお店で、自分がデザインしたブランドを扱ってもらえるのは最高です!
ディストリクトさん、これからもたくさんワクワクさせてもらえることを楽しみにしています!