BLOG - 岡田哲哉(グローブスペックス 代表)

藤井さんとの食探検。

私は食べることも大好きです。仕事で世界中あちこちに行きますが、アメリカでも、ヨーロッパでも、はたまた割と最近、初めて行ったメキシコや香港もそうですが、どちらかというと高級な店より、その土地ならではの食材や水、調理法などを生かした、その地域ならではの美味しさを提供してくれる店が特に好きです。

それは最新の店である場合や、その土地でずっと昔から続く屋台のような店の場合もあります。そんなお店はガイドブックに載っている場合が少なく、そこに住む地元の人に教えてもらう場合がほとんど。そういったお店でその土地の人たちが愛する料理を味わうと、その街の感性や文化、センスをも感じられる気がするんです。

藤井存希さんと知り合ったのはもう10年以上前です。ある男性ファッション誌の取材を受けたときに知り合いました。当時はその編集部に所属されていましたが、今はフリーランスの編集・ライターとして活躍されていて、主に食を中心に記事を書かれています。このフイナムでもお仕事をされていますね。なので美味しい店や新しい店をとても良くご存じで、東京の店の多くは藤井さんに教えてもらったり、一緒に探検に行って発見したり、そうして知った店もたくさんあります。

中でも藤井さんとごく最近に行った店が大当たりでした! 灯台下暗しとは正にこのことで、グローブスペックスの渋谷店からほど近いところにそのお店はありました。

渋谷・神南にあるイタリアン、Konel(コーネル)です。まだお店ができてから1年ちょっとのようですが、近くなのに気が付かなかったのは2階にあることと表に看板が無いからでした。ビルの階段を2階に上がる手前に小さな表示はあるのですが、そんな隠れ家的なところも良いですね。

2階に上がって店内に入ると広すぎず狭すぎず、適度にカジュアルで温かみもあり、とても居心地の良い空間です。グローブスペックスの店舗もあまりキッチリとデザインしたものではなく、段々と気に入った家具や装飾を増やしていって店舗ができていったように、Konelも店内のあちこちにオーナーのこだわりや感性が感じられる装飾が散りばめられていて、私好みの店作りです。

でも店の雰囲気以上に、一番感動したのはやはり料理の味とセンスです。仕事でイタリアには毎年行き、もう30年くらい通い続けていて現地には好きなお店も色々とあります。現地で食材やパスタを食べているとその土地だからこそ採れる野菜や、イタリアの硬水を使ってこそ作れるパスタの味や食感といったものが多くあり、それを日本で再現しようとすると多くの材料をイタリアから持ってくるか、相当、料理人の方の努力と創意があってこそできることだと思います。Konelは全く違いました。東京にあるお店として日本の美味しい食材を、日本ならではの水やセンスでとても美味しい料理に仕立てていました。

コンソメで炊いたイタリアン風おでんなど和食の要素も感じられ、東京だからこそ食べることができるイタリアンと言う印象でした。

本格的なイタリアンもとても美味しいと思いますが、Konelのイタリアンは東京だから食べられるイタリアン、そして日本人が作るからこそできた美味しさだと思います。ニューヨークでNYだからこそ手に入るネタを使って、ニューヨークでしか食べられない寿司を作ることに情熱を燃やしている寿司職人の方に会ったことがありますが、東京だからこそ食べられるイタリアン、そして日本人にとって最も自然に美味しく感じられるイタリアンとはとっても嬉しく誇らしいですね。

左:神作知子さん 右:オーナーシェフ 菊池隆樹さん

左:神作知子さん 右:オーナーシェフ 菊池隆樹さん

8月いっぱいはラーメン屋さん風パスタ(?)をずっとやられていて、9月からまたお任せコースに戻って料理を振るまってくれるそうです。

あー、内緒にしておきたい店を知らせてしまった…。でもあまりに美味しかったので皆さんにもぜひオススメしたいです! 藤井さん、また美味しい店を探検しましょうね!

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