ショウヘイさんと初めて会ったのは5年ほど前。グローブスペックスの店内でした。眼鏡を探しに来られていたのですが、非常に鋭い目つきをしていたこと(悪い意味ではなく非常に目力があった、ということです)、モヒカンのようなヘアスタイル、オシャレな印象だけどあまりファッションに頓着している感じではないこと、日本語を話しているけれど日本人っぽくなかったこと。この様な感じだったので、とても印象に残るお客様でした。買う候補の眼鏡のデザインを絞り込む過程にも独特なこだわりと意思が感じられました。
アメリカのポートランドに住み、アーティストとして活動されているとのことを後で知りました。「なるほど、それで他の日本人のお客様とはすいぶんと印象が違うんだ」と納得していました。
その後、私自身も、ポートランドへ自分のデザインを扱ってくれている洋服の店を訪ねたり、ヴィンテージの家具や雑貨を扱う店が多いことから店舗の什器や装飾品を買い付けるために行ったりしているうちにとてもこの街が好きになっていきました。
食のレベルがとても高く、街中のちょっとした小さなお店や、ワゴン車でやっているTo Go専門の軽食なども美味しい店がたくさんあります。またアーディストや新しいビジネスにチャレンジするクリエーターも多く住み着いているので創造的な空気も街に溢れています。
もともとヒッピーたちが住み着いて発展していった土地なのでDIYやサステイナビリティの模範的な街であり、それを支援する楽しい店も点在しています。何回かポートランドに行ったもののお客様ということもあり、その頃はまだそこに住むショウヘイさんを訪ねることまではしていませんでした。
昨年、ふとショウヘイさんがお店に来たとき、「個展を開くので良かったら来て下さい」と誘われ、原宿で開催されていた作品展を見に行きました。
どんな絵を描くのだろうと思いながらギャラリーを訪ねましたが、初めてその絵を見て衝撃を受けました。ショウヘイさんの作品はとても格好良く、力強いのです。また色彩も鮮やかな色なのにうるさくなく、とてもセンスを感じる絵でした。絵画なのですが、ファッションや音楽に近い印象を受けました。
これまでアーティストから絵を買うことはあまりしたことはなかったのですが、ショウヘイさんの絵に一目惚れし、その会場にあった一番良いと思った絵を買いました。かなり人気があるようで、他の作品の多くはすでに買い手が付いていました。幸い自分が気に入った絵は何とか入手することができました。
その後、ショウヘイさんに頼んで、店に飾るために眼鏡をテーマにした絵を描いて欲しい、とお願いしたところ快諾してくれました。現在、その絵の計画が進んでいます。今年の春にはNYの展示会の帰りにポートランドに寄り、ショウヘイさんのアトリエを訪ねて絵の相談をしたり、大好きなポートランドの夜をクラフトビールも交えて一緒に過ごしたりもしました。
ラッキーだったのですが、ショウヘイさんは長く住んだポートランドを離れる直前で、そこにあった拠点のアトリエを訪ねつつ、ちょうど街中で開催されていた現地のギャラリー展示も見ることができました。
以下、ショウヘイさんの絵の数々です。
先日、日本に帰ってきたショウヘイさんと飲みに行きました。普段、私が良く行く店が希望とのことで三軒茶屋にあるクラフトビールが豊富なapartに行くことにしました。クラフトビールでは日本一にもなった、オーナーのマイケルさんの品揃えには抗えず、時たまお邪魔してしまいます。
ショウヘイさんはオーストラリア人の奥さんとも相談して、今まではコミュニケーションの大部分が英語だった息子さんに日本語も覚えさせたくて、しばらく日本に居ることにしたそうです。ちょうど店のための絵を相談しながら仕上げてもらうには好都合かもしれません。
しばらくの間、ポートランドに完全に根付いてアート活動を行われていたことで、ポートランドの大らかでクリエイティブなマインドは、完全にショウヘイさんの中に取り込まれているのだろうと思います。
そのことと相まってショウヘイさんのセンスと感覚が生かされた絵が仕上がって行くのはとても楽しみです! 実はこの絵、来年3月にオープンを予定している新店舗に飾る予定の絵なんです。
また絵が仕上がってきたら皆さんにもご報告しますね!